お弔い
今朝、ねずみのお弔いをした。
物干しのガラクタ、うちに入れられないまま外置きとなっている木箱に重ねたクーラーボックスの上にネズミが死んで横になっていた。
このところ、野生動物のお弔いが続いている。イタチ、すずめ、そしてネズミ。
少し前になると、カモも弔ったことがある。川っぺりではなく、住宅地の木の影にゴロンと死んでいたのだ。
イタチとスズメは、自転車で走ってる道路の脇で。
今朝のネズミ。
どこに埋めようか考えて、うちの賃貸の小さな庭の、前住人の代からあるであろう山茶花の根元にする。
穴を深めに掘って、手とスコップを使ってネズミの体を持ち上げる。
指先でネズミのお腹を撫でてみた。まるで力無く、ふわっとしている。
小さな黒い目を見開いている。
思い掛けず死んでしまったのか。
野生動物の不慮の死に出会うのも、縁だと感じる。
弔ってくれそうな人の目につくように、死ぬんじゃないかしら。
一刻一秒を争う働き人の前ではなく、ちょっと暇そうな人の目につくような場所を。
私がかつて大好きだった人も、動物の弔いに縁のある人だった。
「がんばったね、おつかれさま」
土をかけながら、口に出た自分の言葉に驚く。
母が亡くなる時、私は同じ言葉をかけるんじゃないかしら。
今の母は、昔の母と比べると、力無く頼りもなく、フニャフニャしている。足も体も痩せ細り、パーンと張って立ち働いていた母の面影は、今の体を見る限り、ない。
シワの多すぎる、体に比べると大きすぎる手だけが、かつて働き者だった様子を表している。母が亡くなったら、このネズミのように、軽くて小さな空洞になるんだろう。
私は、昔の思い出もひとつずつ、何かしら、お弔いの儀式を重ねながら、心の置き所を定めてきたのかもしれない。
SHAELA @ 浄土寺
出張SHAELA@浄土寺
2021.10.24
昨年からの「働くセーター写真展」の巡回から、 @jamiesonsofshetland の毛糸販売会をやってくださるSHAELAのもとさん、惟さんと。
毎回バタバタで、今回初めて一緒の写真を撮っていただいた。
どの写真も全部笑ってて、一番愉快そうなのを選んでみました。
photo:Shinnosuke Yoshimori
HOLY’S @ 浄土寺
おかげさまで、京都の展示も無事終わり、広島に帰って2週間も経つ。
やっとたくさんの用事を片付け、いつもの作るばかりの生活へと向かっている。
浄土寺でのこと。
いろいろあったけれど、ようやく昇華し始めているところ。そうなると全て良かったと思えてくる。
仕事仲間に対して、思うところは多々あり、時間を重ねることで、深まることの多くを、胸の中に抱えている。
ただ「ありがとう」の言葉じゃなくて、
うまく言い表せない気持ちは、今度会う時、伝えられるだろうか。
淡々と日々は、それぞれの色に戻っていく。
この吉森さんに撮ってもらった写真の中には、私の胸に抱えている空気も表れているように感じる。
浄土寺の山からの流れる川の香りを、私はすぐに思い出せる。
photo: Shinnosuke Yoshimori
大樹郎さんの指人形
喫茶ホーボー堂大樹郎さんの指人形
喫茶ホーボー堂の佐藤大樹郎さんは、今、瀬戸物で出来た置物や、人形の頭に何か被せることにハマっておられるそうで、この指人形を買ってくださった。
他にも指人形はあったけれど「これが一番かわいい顔してる」と言って、HOLY’S初期のうさぎの指人形を選ばれた。
私は「京都にはそんな需要があるのか」と驚きながら、実はドキンとしていた。
この指人形は、輸入ボタンの買い付けと卸しをやってる会社からの依頼で、ボタンを使ったニットを作るきっかけだった。
ボタンを付けるニットを作りながら、ボタンの映えるニットを作りたい。
その頃に考えた手袋や指人形は、今もHOLY’Sの定番アイテムとなっている。
てんとう虫ボタンはいろいろあるけれど、ドイツはWAlter社のガラスボタンのてんとう虫は、色も形も愛らしく、
私は、うさぎのボディはシンプルに仕上げ、顔さえかわいらしく刺繍することに専念していた。
今でも、指人形の顔を刺繍する時は、いい顔になるようにぎゅっと集中する。けれどあの頃のワクワクとは、違ってきているのかもしれない。
今回の京都で、喫茶ホーボー堂さんのおはぎと、季節野菜弁当をいただいた。
おはぎは小ぶりながら、ひとついただくと体に染みて大満足。
お弁当は、栄養がたくさん詰まってて、パンチの効いた食べ応えのあるおかずばかりで、酵素玄米ご飯も本っ当においしかった。
大樹郎さんが、何にこのうさぎを被せるのか、楽しみにしている。
「働くセーター写真展」終了しました
今日をもって「働くセーター写真展」ホホホ座浄土寺店 @hohohoza の開催終了しました。
写真家・吉森慎之介さんの「働くセーター写真展」は「a sweater.」フェア中の無印良品京都山科で移ります。
写真は、今朝の船岡山です。
船岡山文化祭での「即興指人形」も宿題をふたつ残しながら、おかげさまで無事終了しました。
京都、または遠くからホホホ座へ、無印良品、岡崎公園、船岡山へと足を運んで下さったみなさま、本当に感謝しています。
今回の「働くセーター写真展」
東京は荻窪、本屋T i t l e、ホホホ座浄土寺店と、おかげさまで無事終えました。
私にできること。
私はまた作ります。
これからも、どうぞよろしくおねがいします。