エニシダ色のカーディガンを
働くカーディガン。
size:1 col.1140 Scotch Broom
なぜだろう。
作れば作るほど、働くセーターへの気持ちが真っ直ぐになっていきます。
昨日、お受け取りいただきました。
小さなメールのやりとりを重ねさせていただきました。
彼女はなんていうか、控えめな、言葉の美しい人です。
ありがとうございます!
昨年秋のオーダー会でお受けしました。あともう一着。
大切な友人への働くセーター
大切な人へ
働くセーターを。
私のフェアアイルも、キャスケットもレッグウォーマーも。。
上げればキリがないほど、知っててくれる友達のために。
今一番の自信作を。笑
着心地の良さを保証します。
カラーもすべて、任せてもらいました。
ダボっと着る女の子のオーバーサイズです。
col.:1340 Cosmos
size:4
ハグロトンボ
昨日朝のこと。
手入れの行き届かないうちの庭に、黒い羽で群青色のしっぽを揺らすハグロトンボが舞っていた。
そのヒラヒラと飛ぶ姿に、クロアゲハかと一瞬思った。
葉に留まると、優雅に羽を開閉する。
ツガイになるべく、相手を探しているのか。
そんな姿を見せてくれる。
いや、彼女が来てくれたんだ。
初めて会った時の、ギャラリーで次々と「これもいいですか?」なんて言いながら、私の作ったショールや帽子を試着する彼女。
「ついさっき、お金使っちゃったから、全然ないんですよ〜」と言いながら、私に確認すると、次々気になるニットを手に取っては身につけ、「カワイイ」と繰り返す。
全然いやじゃなかった。
広めのギャラリーをヒラヒラと飛び回り、手を振りながら帰ってった。
まるで、今日のハグロトンボのようだった。
その後、私達は長い時間をかけて、友達になる。
時に、彼女の思う良心とのすれ違いで、私は心を固くし、彼女の訃報が入った時には、まずそのことを深く後悔したけど、
私達は、それが最後ではなかった。
楽しい時間で、終わっていたけど、例の件で、頻繁に連絡を取らなくなったことは確かだ。
その後、私は猛烈に忙しくなり、全くの仕事関係のない彼女とは、疎遠になった。
そのほんの半年間の間に逝ってしまった。
彼女が私に何を話したかったかを思うと、その口を噤ませてしまったのは私。
ニコニコと、見守っていてくれるだろうか。
都合の良いことばかり、考えている。
7月10日
時々、自分のすることすべてに自信が持てなくなる。
人に何か教えられる器でもないのに、編み物クラブと言う場を持っていると、人に強く何か言わなくちゃならないことがある。
今日の私の言い方は、あまりほめられたものではなかったと思う。
唯一の家族である母の生活に関わるさまざまな決断と、自分の仕事の方向性。
コロナには私も振り回された。
前回、延期した東京での打ち合わせを今回決行するには、前回の反省があるからだ。
コロナにかかるか否かは、もはやロシアンルーレットのようで、広島だからとか、東京だからとか、その判断ではない。
誰かのせいでもなく、自分がどう腹を括るか。
編み物クラブという人をお招きする場を持つ私は、その場所を守るために、自分の動きを制御したけど、そのあと随分逡巡した。
息苦しさで、どうかなりそうだった。
誰かにせいにばかりしていた。
私は自分の製作の部分を削ることはできない。
それを守るために、展示会はしないと息切れを起こす。
そこに向かう覚悟のようなものを、今の自分のできる範囲で、決めた。
夕方の所用を終え自転車で走りながら、何度も息を深く吐いた。