HOLY'S BLOG

やさか村ワタブンアートファブリックへ

7月の終わり、編み物クラブのメンバーで、島根県浜田市弥栄町にある「やさか村アートファブリック」を訪ねました。
編み物クラブのキョウちゃんが「みんなで行きたいところがある」と前々から見つけていて、手織り体験もさせていただけるとのこと。クラブの4人で出掛けました。

やさか村アードファブリック「やさか村ワタブン」は、100年前から、京都の西陣織の工場として、全盛期には、ここにある27台の機織り機が全て稼働し、朝から晩まで、地元の女性達である職人さんが、西陣織の帯を織っておられたそうです。

技術の切磋琢磨は言うまでもなく、今でも、和服の新作は、織られた7年先に販売されるとのこと。新しい技術も陽の目を見るのは、7年先。1人1人織った人の名の入った帯は、代々まで残り続けるそうです。

私たちが体験させていただいたのは、さおり織という小型の手織り機で、すでに縦糸が仕掛けてあります。
何台もの縦糸が既にセットされた中から、自分の織ってみたい機を選び、横糸の組み合わせを考えます。

織りの仕組みを習うのに、新作の織られた帯を見せていただきました。
写真には撮れなかったのですが、
帯のお太鼓の部分には、斜めに波打つように青から銀のグラデーションで織り込まれいて、織り目が立体的な模様となり、それは単に縦糸に横糸を織り込む、とは言えない作業の複雑さがあります。
拡大鏡で見せていただいた絽の帯には、縦糸には捻りが入り、横糸が織られています。


テンションを加えた縦糸に、どう横糸を入れていくか、これは拡大鏡で見てもため息が溢れるばかりです。

技術は、海外で真似されたとしても、帯の締め心地が違うのだそうです。捻り織を真似されたとしても、一本の縦糸がピンと切れれば、その海外で織られた帯は、ひとたまりもなく生地が弾け切れるそうです。

生地のことですから、美しいものに仕上げるために、どう調整していくべきか。想像上だけでも、尊敬に値する技術であることは、理解できます。

 

 

私たちが体験させていただいたのは、さおり織という小型の織り機で、すでに縦糸が仕掛けてあります。何台もの縦糸の中から、自分の織ってみたい機を選び、横糸の組み合わせを考えます。

近所の小学生が卒業記念で、さおり織機で絵を描くように、弥栄にあるさまざまな木を織り込んだ作品を見せていただきました。

やる気があれば、そんな大作も作れるんですね。

ほんの入口を手取り足取りで体験させていただいた訳ですが、本当に貴重な体験でした。

手織り体験として、一般に間口を大きく広げておられるのであって、
その技術の確かさは、尊敬してもしきれませんでした。

これは、私がその手織り体験の時間で織ったたテーブルクロスです。生地がしっかりとしているので、ファスナーをつけて小物入れにしてもいいなと思いました。

ワタブンの先生の打ち込み「トントン」は、柔らかく、どんな生地を作りたいか、を、この打ち込みの作業の表現として現せるようなのです。

 

 

今は、地場産業の蚕を使った、キビソ織りのタオルと、蚕から取れる真綿をふんだんに使った「あったかショール」の生産販売で、持ち得る技術と、現代の生活様式への対応を試みておられます。
地元の暮らしと仕事があって、伝承し続ける営みについて、考える1日となりました。