昨日の編み物クラブより
昨日の編み物クラブより。
初級コースより3回め受講のMさん。
HOLY’S編み物クラブの初級コースで用意のあるコーヒー豆コースターを、指定の30段まで編まれて来られました。
針に残ってる目をすべて左上2目1度し、
半分の目数にしたところ、割り切れるはずの目がひとつ余ってしまいました。
編み目の目数を数えてもらうと、全体で33目ありました。
ひとつ余っちゃう訳ですね。
「どうしますか?」と、私はMさんに聞きました。
Mさんは「ごまかして、最後3目1度かにして、仕上げて次にいきたい」と答えました。
Mさんには、すでに次に編みたいものがあって、
それは高齢のお母さまが使う簡易的なベストでした。
後ろ身頃から身幅で平らに編み、頭から前身頃に向かっ身頃が半分に分かれるポンチョの前開きバージョンで、脇下をボタンで留めるというものです。
ということは、往復編みになる訳ですが、、
平らな往復編みをまっすぐに編むことが難しいことを、私は知っています。
Mさんに私は答えます。
「気持ちはわかるけど、HOLY’S編み物クラブに来て、ごまかす、は、ないんです」と言いました。
「ごまかして仕上げたものは、側にあっていつも(ここ、ごまかしたんだよなぁ)って見るたびに思うことになる。それは時期、使わなくなる」
と言いました。
「編み直しましょう」
昨日の私は、少し強引に進めました。
言葉は足りなかったかもしれません。
「大丈夫。編み直しは、最初の2分の1の時間で出来ます」
Mさんは、ほどきはじめました。
別鎖から拾う目数から、多かったようです。
新たに目を拾います。
拾い方を忘れておられました。
前回やったことでしたが、もう一回やることで、きっと覚えてくださるはず。再度、説明します。
彼女の編み目は、ブカブカと大きな目になっていましたが、2回目では、安定してきました。
指の使い方も、少し直してもらいました。
昨日の回で、Mさんは、編み終わられました。
編み目は、すごくきれいに揃っています。
初級なのに厳しすぎるように、感じられるかもしれませんね。
Mさんには、お母さまのベストを編む目標があります。
それには、コーヒー豆コースターの何倍も編まなければなりません。
その目標があるなら、きっと昨日の編み直しは、近道になります。
そんなすべてを限られた時間の中で、言葉を尽くせなかったけれど、きっと手を動かすことで、感じてもらえるはず。
私は、編み物クラブに来なければできない編み物をお伝えするより、ものを作る技術を身につけて、ひとりでも作りたいものが作れるようになってほしい。
そんな気持ちで、編み物クラブをやっています。
芍薬が開いたので
芍薬が開いてくれました
近くのスーパーの「季節の花 298円」で売られていた蕾を買いました
昨年は蕾のまま、うまく開かず茶色くなったので
今年は開く方法を調べました
まず水切り
下の方の枝や、途中の葉を思い切って落とす
蕾は、「蜜」によって守られているので、さっと濡らすか、
湿らせたキッチンペーパーで優しく、蜜の膜を拭き取ること
毎日きれいなお水に生けること
そのどれが欠けても芍薬の蕾が開かないのなら
何かが「宿る」ということは
たまたま天から降りてくるものではなく
「手技」を磨くことで
確実なものになる、ということでしょうか
そんなことを考えると自分の仕事も
日々手を動かして
着る人の体の形に合わせながら
気持ちに寄り添うように、と
セーターを編むのも、何か「宿る」ことができるのなら
そんなセーターが作りたいと切に思いました
こんなにきれいに
蕾が開いてくれたので
母作のブラウス
母が縫ってくれたブラウスを着ています。
母を3年前に見送りましたが、母作のブラウスは、健在です。
子供の頃から、母の作った服やカバン、帽子を身に付け、カーテンからシーツまで、家中全ての布物は、母が手掛けたものでした。
私の母は、婦人服の仕立てをしていたので、ミシン仕事はなんでもやりました。
小学生の頃、私は、首の後ろにタグの付いた服に憧れもしました。
私が冬場に学校に持参する座布団も母は、作りました。
小学1年の初冬、朝起きると、私の目の前に今まで作ってるところすら見たことのない座布団がいつの間にか仕上がっていました。
きっと使ってない座布団の綿をカットするところからです。
座面には、ボンネット・スー風のアップリケと刺繍を施した女の子の後ろ姿があって、座布団の4角と真ん中に、綿がずれないための糸どめが付いています。
クラスのみんなは、洋品店で売ってる四角い角のたったポリエステルスポンジが入った、座面にはキャラクターがプリントされた座布団で、そのピシっとした形が羨ましかったけれど、私は母の作ってくれた座布団を使い続けました。
上履き入れにも、刺繍とアップリケで、野ネズミの女の子がスカートを履いて花畑の真ん中に佇んでいました。
母がそんなパターンをどこで仕入れていたのか、絵本を見て模倣してくれたのかもしれません。今思えば、ビアトリクス・ポターのネズミのお話の絵にそっくりです。
制服のような既製品のジャージの白いブラウスもありましたが、胸ポケットには、うさぎの女の子の刺繍が入っていました。
私が母作のジャンパースカートやワンピースを着ていると、友達のお母さんがどうやって縫っているのか「見させて」と言って裾をひっくり返すこともしばしばでした。
そんなことをツラツラと思い出すと、母はあまり多くを語る人ではなかったし、甘やかされることもなかったのですが、愛情をたくさん与えてくれていたんだなと思います。
何より母自身が嬉々として作っていたんだと思います。
大人になってからも、母はずっと私の服を作ってくれて、編み物が生業になってからも、少ない収入で新しい服が買えない代わりに、せっせと必要なものを作ってくれました。
母が作ってくれたブラウスは、何枚もあったけれど、もういよいよ生地も薄くなって襟もよれてきた数枚を、先日、ボタンを外して手放しました。
あんなに手放せなかったヨレヨレブラウスを、母が亡くなって3年経って、やっと、です。
でも大丈夫なんです。
母の手掛けてくれたものは、まだまだあります。
私はあの親に育てられたんだと思うと、仕事にも熱が入ります。
最近はじめたInstagramの新しいアカウント「今日は何着る」でも、この先も登場します。
@naomiholysでやってます。よかったら見てみてもらえるとうれしいです。
今日は何着る〜トートバック
またしてもトート。
独立して最初のお部屋に越した時、
雑貨屋を営む友人と、バック作家の知人お二人から、THREAD-LINEのトートバックをいただいた。
彼女の店に並んでいたこのトートを当時の私はどうしても買えず、矯めつ眇めつ眺めていたのだ。
引越しのお祝いにと、彼女とバック作家さんが作ってくれたハンドルカバーを付けてくれたのだ。
ハンドルカバーはこれに限らず、
持ち手のあるカゴや、別の大きなトートに付けたりと大活躍だ。
今も、あの細長いお部屋で友人に囲まれながら
小さなお食事会をした日のことをよく覚えている。
Instagramで「今日は何着る」アカウント始めました。@naomiholys
セーターのお洗濯
GWは、セーターを洗うタイミングです。
私がいつもセーターをお客さまに納品する時、一緒にお付けする「ウールの洗濯方法」を載せてみます。
ご参考になれば幸いです。
数を着てないセーターは、洗濯せず陰干しでいいと思います。
洗ったら早く乾かすことが、形崩れを防ぎます。
@jamiesonsofshetland のシェットランドヤーンで編んだセーターを純石鹸で洗った場合は、直射日光に当てて大丈夫です。
(他の中性洗剤は、わかりません。使ったことないので)
日当たりの良い場所で、数時間おきに裏表をひっくり返したり、向きを変えたり、触りながら乾かすことで、シワや干し癖がつかず、きれいに仕上がります。
カーディガンに、木や、革製のボタンを付けておられる方は要注意です
一番良いのは、ボタンをカーディガンから外して洗濯することをオススメします。
手間だけど、1番安心です。
特に本物の革のくるみボタンを付けておられる方は、濡らしてからの直射日光で、革がカラカラに乾いて形が変わります。
木のボタンでも、近いことが言えます。
他のボタンでもちょっと心配な場合は、洗う段階で裏表にし、ボタン部分が直接、石鹸水や日光に当たらないようにすることです。
(私は木のボタンに、革の裏ボタンなので、どちらもアウト笑
ボタンの位置に段数マーカーで印を付け、ボタン糸を切って外して洗濯します・・・めんどくさいけどね)。
そうやって手をかけできたので、私のカーディガンのボタン、良い色になってきてます。
ボタン付けが上手くなる!と信じ込ませてやりましょうかね。