ダナーだった

エベレストベースキャンプへ、トレッキングの相棒に選んだのは、20年以上前のダナーでした。
当初、友人には、新しくて軽く防寒機能もあるシューズの購入をまず勧められました。
進化を取り入れることこそ、自分の身を守ることになると。
ダナーライトが本格的なトレッキングに通用するのか。
エベレスト街道は、いわゆる登山靴で行けると、この旅を共にする仲間が教えてくれました。
登山家で写真家の石川直樹の本を読むと、彼もこの靴でありとあらゆる旅をしたと書いてあったし、
ネットで、ダナーライトについて調べてみると、ダナー愛用者で、この靴一本で、あらゆるフィールドを修理を重ねながら歩いている記事が見つけられました。
足が靴の中で、少し遊ぶことが懸念されると、この靴には、専用のインナーソールがあることを今さら知りました。
修理が効くなら、出してみよう。
それでも心配されるなら、新しい靴の購入を視野に、と決めました。
この靴は、私が体調を崩して広島に帰った年に、私の兄がまず1番にと買ってくれたものです。
私の祖父は、愛媛の生まれで、若くして急遽した後、祖母は、石鎚山の信仰を深めました。
私の家族はみな、石鎚山に登っていました。
私の体が回復したら、祖母の山に登るんだと、祈るような気持ちでした。
兄は、私が選んだ登山靴を、値段も見ずに購入してくれました。
ダナーはその後、私がその時、最もなりたかった職業「森林整備」を学ぶ1年間のコースで、履きました。
森林整備の仕事は叶わず、今に至ります。
体調は、なかなか万全と言えるまで時間がかかりました。
その間に、シューズの底は、ゴムが劣化していました。
今回の修理で、ソールの張り替えと、履き口のバンドを取り替えてもらうと、私のダナーは見違えりました。
インナーソールを入れ、2度試し履きで山に登りました。
ネパールにも、この靴で。
心が決まりました。
この靴を履いてきて良かったと、この旅の間で、何度も思いました。
GORE-TEX機能は健在だったし、インナーを入れたことで、足にフィットし、
もうひとつの軽い登山靴で当たっていた靴擦れも全くなく、
旅の間中、足で痛みを感じることは1度もありませんでした。
仲間の1人の靴が、旅の途中で、ソールが剥がれた時には、自分ごとのように心配しました。
いつかの富士山で、溶岩石を歩く目の前の人のソールが外れたからです。
彼はテーピングで無事、旅を終えることができました。
私のトレッキングは、高山病で成し得なかったけれど、みんなと合流してからも、この靴でカトマンズの街を歩きました。
まだまだダナーは健在。
来年もこの靴で、ネパールを訪れることができたら。
働くクルーネックベストより働くセーターをおすすめします
スダチと梨

「スダチを梨に絞って食べてください」と、関西弁の徳島県民の方よりいただいたので、やってみると、なるほどおいしい
個人的には、さっきスーパーで見かけた洋梨に絞ってみたい
確か洋梨のタルトを作るにはレモン汁をかけるんじゃなかったかしらと
浅い知識が自転車を漕ぎながらぐるぐる回る
ふと人との関係と似ているなと思う
意外な出会いがしっくりくることもあるし
時間をかけてこそ、自分の知らない世界を教えてもらえることができるのだと
#スダチ
#梨
花屋さんの存在

近所に雰囲気の良い花屋さんがある
店主は寡黙な職人肌で奥さまも控えめ
少しずつ通ってお話を聞かせてもらえるようになるといいなと思っている
There is a flower shop with a good atmosphere in the neighborhood
The shopkeeper has a quiet craftsman’s skin and his wife is modest.
I hope you can go through little by little and listen to the story.
パンクと宝石

忘れた頃にやってくる。それが自転車のパンクである。
朝から決まった「今日のやることリスト」を終え、街から帰り、遅すぎる昼ごはんを食べていると、借りっぱなしだった本のことに気づく。旅前にお返ししておきたい。そんな気持ちがむくむくと立ち上がるといてもたってもいられなくなった。
借りた友人にLINEをして、今から返しに行く旨を連絡する。
走り出して、自分の自転車が完全にパンクしていると気づいた。
友人の家までは、歩く距離にしては遠すぎる。
パンクした自転車を無理やり漕いでポストに本を届け、さて馴染みの自転車屋さんの閉店時間を確認した。
広島市内の西から東へ、パンクした自転車をガシガシと漕いた。
自転車屋さんには、顔馴染みのはるちゃんがいる。ちょうどタイヤもあったので、自転車は預けることなく、その場で修理をしてもらえるとのこと。
慣れた手つきでパクパクとチューブとタイヤを外すはるちゃんと、近況などを話す。
今日のはるちゃんの装いは作業用だったけど、それでもらしくて、くつろいだ雰囲気ではるちゃんそのものが素敵だった。
私は、はるちゃんが作業する姿を写真に撮ってみたかったけれど、やめた。「写真撮っていい?」と聞けば、喜んで撮らせてくれることもわかっていたけれど、空気の流れが変わるようで、やめたんだ。
金曜の夕方とあって、駆け込みのお客さんもあり、慌ただしい。それでもまた作業に戻るとはるちゃんは、さっきと同じリズムで淡々と作業をこなしながら、心に浮かぶあれこれを言葉にして話してくれる。
この店の雰囲気が好きだ。
はるちゃんの手で整えられた棚には、その時々のはるちゃんのブームが見え隠れする。
閉店を少し過ぎた頃に、私の自転車は修理を終えた。今ではなくてはならない私の生活の1部。
店を仕舞うはるちゃんを少しだけ手伝って、一緒に店を出た。駅まで一緒に歩く。
これからのこと。新しく出会った人とのこと。
今、はるちゃんは友達のセーターも編むのだと言う。
駅前の歩道橋まで歩き、そこで手を振って別れる。私の旅が終わり帰ってきたら、また会う約束をする。
「気をつけて行ってきてください。この帰り道も気をつけて。」と、必ず忘れないはるちゃんの言葉が、じんと胸に染みる。
はるちゃんと別れて、解けた靴紐を結び直す。ふと宝石だと感じた。こんな時間が宝石なのだ。インスタ映えする写真がなくても、キラキラする時間は、こんなふうに訪れる。
昨日1日中、鼻水を垂らしてた人の活動量とは思えない今日をまた送ってしまった。汗をかくほど、そしてほぼ半日動き回ったので(しかもパンクした自転車でだ)すっかり風邪っ気は、抜けたようだ。
風邪が治ったのなら、体中の毒素の排泄もしたのかもしれない。旅を前にちょっとしたセンシティブモードに入っている。