広島南アルプス縦走(宗箇山まで)
縦走なるものがあるらしい。
毎年テントを担いで何泊もしながら山の旅をする友人が、トレーニングに歩くという。
私も2度登ったことのある武田山が広島南アルプス縦走コースの出発点で、鈴が峰まで歩けるそう。友人はその途中の宗箇山までのコースをトレーニングとして使うと聞いていた。
私もネパールトレッキングを前に、1度そのコースを歩いてみたい。決行した。
編み物クラブのメンバーでもある友人が一緒に行ってくれるという。

8時の集合から最初の頂上、武田山までは妙齢の女性2人組と遭遇し、おしゃべりも弾んだ。

女性達に励まされ、じゃ、その先も行くよとなると、いきなりの急斜面の降りと登りが続き、不安に駆られる。やっとの思いで火山に到着。
救世主のように私のLINEに例の友人、山先輩より「縦走しよるんじゃね、火山が1番キツいけど、それ超えたら大丈夫。時間的にもなんとかなりそう」というメッセージが届く。先輩に「YAMAP」アプリの「見守り隊」機能で我々の同行を見ててもらうようおねがいしてあったのだ。
メッセージのおかげで、それまでの不安な気持ちをお互いに吐露し終えると、スッキリして次の山へ。


その後も先輩から届く「気をつけないと行けない分岐」を熟知する的確なアドバイスのおかげで、無事通過し、黙々と3つの山の尾根を歩き、最後の宗固山に到達後には「おめでとう」が届く。

我々はその時、降りる道で迷っており、寺に繋がる17時の閉門時間も迫る中「YAMAP」が示す最短ルートを歩こうとするも、まるで獣道で引き返すことを繰り返しており「迷ってる」と、浮かれる暇もなく返信する。
「コンクリの道を行けば降りれる」と即答ありがたく、時計を見ながら脚を引き摺りずり続けた。
すごいな。この機能と先輩。「見守られてる」と何度、口にしたかわからない。
こんなところで閉門し取り残されたら、山の中で一泊するか、またもうひとつのルート、もうひとつの山を越えて住宅地の出口を目指すか。いくつかのシュミレーションも胸を過ぎる。
道中、山栗を拾ってる場合ではなかったのだ。
太陽も傾き始め「閉門まであと15分」「あと10分」と刻んでいると、墓地が見え三滝寺の裏に出た。
閉門5分前に無事、通過。
やっと声を上げて笑う。
見守り隊の先輩に2人の破顔写真を送り、無事それぞれ帰宅。
終日遠隔で見守ってくれた先輩より「おつかれさま。しっかりおやすみ」のメッセージよろしくその日は19時半に就寝する。
一日置いて、筋肉痛と仲良しの今、もう一度、行きたくなっている。今となれば、訳のわからない不安さより、2度目の体感や見える景色について、改めたい気持ち。
祖母は、石鎚山の先達、母は山ガールだった。
山登りを重ねたら、日々の心が折れそうな時も強くなれる気がしている。
次の日の朝、目覚めると、山先輩からLINEが入っていた。
「よくエスケープせずに頑張ったねー」と、なんともうれしいねぎらいの言葉がそこにあった。
今朝の姫りんご

姫りんごが赤くなる頃
賃貸マンションの小さな庭に植えた姫りんごが
今年も色付いてきました
小さな木の小さなりんごがぜんぶ赤く染まる頃
私は人生初の旅に出ます
今まで抱えてきたものは一旦置いて
バックパックを背負います
まちがえた時

編む時間は、いつも発見の連続です。
いま編んでいるアランカーディガン。
ポケット下の「裏メリヤス編み」を、うっかり『働くカーディガン』と同じ「メリヤス編み」で指定の14段編んでしまいました。
昨夜、眠くなりながら片方のポケット下を編み、もう片方に取りかかっている途中で力尽きて就寝。
今朝、身頃につなごうとしたときに、まちがいに気づきました。
一瞬「逆進行(編み地だけ反転させて)で編めばそのままでいけるかも」とも思ったのですが、
そうすると糸をいったん切って継ぎ直さなければならず、今回は『一生ものアラン』の本で紹介した方法とは違い、ポケット下と身頃を同時に編んでゴム編みに繋げるやり方をしているので、後で迷うのが目に見えていました。
この段になると、誤魔化したことを自分で忘れてしまう。
そうなるとあとで混乱して、ゴム編みにきれいにつながらなくなるかもしれません。
だから、ポケット下33目×14段を解いて編み直すことにしました。
ほんのひと手間を惜しまなければ、あとがすっきりする。
本でも、ほかのデザイナーさんのパターンでも、考え抜かれたやり方にはちゃんと理由があるんです。
ポケット下2つ分をやり直す時間は、作品全体から見ればほんのわずか。
それなら安心して進める道を選びたい。
よく「ほりさんでもまちがえるんですね」と言われますが、しょっちゅうです。
でも、早めに気づいて取り返すことが、結局いちばんの近道だと思っています。
まちがいに気づいて、立ち止まって、やり直す。
その積み重ねこそが、うまくなることの証のように思います。
@jamiesonsofshetland col.1340 Cosmos
サバイバル墓参り

修理から帰ってきたダナーライトの慣らし履きを兼ねて、墓参りに行ってきた。お彼岸は、雨に降られ、見送っているうちにタイミングを逃しており、9月中に滑り込みたかった。
涼しくも動きやすく、墓はどれも山の上にあるので、蚊の対策もしなければとなると、アーミーパンツしか選択肢がなく、スタイルだけはハードめになる。
おまけに今日は、カメラまで肩から下げた。

まずは最寄り駅から広島駅へ。
そこから呉線に乗り、吉浦駅まで。いわゆるローカル線。
吉浦の街は、地元のお祭り前で、賑やかで、いつもの道を見失いそうになった。

いつものスーパーで花を買おうとすると今日は、花を仕入れなかったそう。
別の花屋さんを教えてもらい、少し道を戻って、花を購入した。私が買った花は、10本で1500円。地元の花だそうで「持ちがいいよ」とのこと。
それをふたつ購入した。色違いで、オレンジに白のフの入った小菊と、ピンクに白のフの入った小菊。他にも桔梗を買いたかったが、余分なお金を持っていなかった。花屋のおばちゃんは、背中が曲がり、足元で花をまとめる。そっちの方がテーブルより余程近いのかもしれない。
おばちゃんの花屋があって、助かった。
いつもは、自分の地元で花を調達し、墓参りに行く。夏は朝早くに出るので店は開いてない。
今日は、お盆でもないので、吉浦のスーパーに花があると踏んでいた。
山の市営墓地へ向かう。

何がサバイバルかというと、本数の少ない呉線の乗り継ぎである。
本数が少ない上に、快速と各駅が混ざる。
昼の時間になるとさらに本数は少なくなる。吉浦から川原石への一駅となると、各駅停車しか乗れないので、時計を見ながら墓周りの草を抜く。
今日は、すっかり寂れた墓地の、うちの2つどなりの墓に、石屋と思われる親方と若者が座っているのだが、どうやら、さっきから親方の説教が続いている。
私が草抜きをしても一向に終わらないので、イヤホンで音楽を聴きながら、彼らの話に耳を塞ぎ作業をする。
結局、線香を備えて拝み、立ち去るまで、親方の説教は、終わらなかった。
次に乗る電車のきっかり20分前に墓から出発した駅に向かい、予定通り各駅停車で1つ駅分を乗る。
川原石駅から墓地へ向かう道は、いつも振り返り、海を見る。

川原石の駅から、墓地に向かう道は、車が通らない歩道の坂道が続く。途中、パトロール中のお巡りさんに会った。私を珍しそうに見るので「墓参りに行くんです」というと「上の??たいへんだあ。気をつけてください」と言われる。
呉の街に縁のある人なら、この車も通れない細い坂道には、馴染みがある。洗礼を受けている、とでも言えるであろう。
残念ながら、並ぶ家家は、かつての賑やかさを失いつつある。朽ちた瓦や塗り壁の立派な家が荒れていく一方だ。
川原石のお墓参りでも、帰りの1時間に1本の各駅を逃してはならぬと、時計を見ながら、墓の掃除をし、花を生け替え、線香を備えるのだ。
ここでは、なぜか昔から右隣り5基の墓に繋がりがあるらしく、うちにもいつもお花を入れてくださる。なので、私も生ける。きっと他の家がこのお彼岸に訪れてくださったであろう、花の水切りを5基分と、自分が持ってきた花を足す。
線香を備えるまでの5基分を、段取りよく動かないと、あっという間に時間が過ぎる。
帰りは坂を転がるように、駅まで小走りを続ける。
乗れた。
ここからはちょっとホッとタイム。タイミングよくLINEの連絡事項がこの時間に集中したので対応出来た。あっという間に呉市から海田市へと移動しており、持ってきたお弁当を電車の中で食べる。
広島駅から今度は、ホームの一番端9番線に移動し、芸備線に乗るのだ。ローカル線からローカル線への乗り換えである。
トイレのタイミングも、最近ではうまく使えるようになった。
広島駅で、トイレタイムが取れ、ここでも乗り換えが成功した。
芸備線も快速と各駅、さらに墓の最寄り駅は、各駅のみ。その上、手前までしか行かない電車もあるとなるので、一本を逃すと次は1時間後になる。
今日はラッキーな日であった。
駅からまた歩く。山を切り崩した道路の坂道をグーっと登る。人なんていない。団地へ入る車が行き交うだけ。

呉の街とは違い、ここはどこを向いても山である。
帰りは、バスになる。
これも1時間に2本。掃除してる間に、すぐに時間となった。
バスに乗るが、このバスが最寄りというわけではないので、降りたらまた歩く。橋を渡り家路に向かう。いつものスーパーに寄ると、俄然元気が出てきた。小さなみかんを買う。

無事帰宅。
今朝、8時過ぎに出発。帰ってきたのは17時前だった。
出発直後にカメラとヘッドフォンを忘れたことに気づき、戻り再出発ののち、花で手こずるも、その後は、珍しくスムーズに行った。ありがたい。
今日の歩数は14100歩だそう。
オンラインショップお休みの期間があります
お知らせ
誠に勝手ながら、ネパールへのトレッキング旅のため
10月26日〜11月17日までオンラインストアをお休みさせていただきます。
期間中にいただいたご注文は、11月18日以降、順次発送いたします。
ご理解いただけましたら幸いです。
留守中のオンラインストアでの受付は、可能です。
ご縁あってこの度、エベレストベースキャンプを目指すネパールトレッキングに参加することになりました。
初めてのこと、きっと一生一度の経験になると思います。
この貴重な機会を元に、帰ってきたら、必ず製作の糧にします。
どうぞ見守っていただけますと、幸いです。