カーテンを直す

この部屋に越した時
10mリネンを買って縫ったんだ
母とイッセイノセで裁断し
アイロンをかけ
ミシンを踏む
窓にカーテンのない部屋から
ひとつずつ
ひとつずつ
あれからもう9年になる
裂けたところに
別の布を当てて
かなり適当だけれど
長くやりたいと思っていたこと
ひとりで
せいせいとした気持ち
ただこれだけ手をかけても
いつかさよならをする時が
来るということ
蕾がひらく
考えごとに入り込んで
雑に置いてしまったカルダモンの入った瓶を
戸棚の中でぶちまけてしまった
朝のチャイを淹れ終えて
アツアツを飲もうとしたところ
最近の自分はちょっと
ぎゅうぎゅうしてたかもしれない
戸棚の中のものを出し
カルダモンの実を拾う
ひとつも残さずに
カルダモンの実には香りの種がたくさん詰まってる
昨日、おばちゃんの庭から摘ませてもらった
モッコウバラの蕾が開く
4月の編み物クラブ
既視感

2019年「ゴフスタインと私」展で試作したサンカグローブは、小さな間違いに気づき、片方は指先まで編み上げていたけれど、もう片方は手の平まで編んで、そのまま置いていた。
個展では、同じ配色で、小さな間違いを正し、新たに編んだ手袋を並べ、旅立った。

『手袋と街』の製作時に、その編みかけの親指を使って、ハンドウォーマーのためのリブ編みをテストしていた。確か親指のリブの長さを測ったんだと。

テストニットで試したやり方は『手袋と街』の中で使えるものとして別の色合いで作ったんだ。
片手は5本指まで編み上がり、もう片方は指のないまま、しばらく脇に放り込まれていた手袋を、ふと取り出し、ハンドウォーマーに作り変えてみた。

この色合い。
あのサンカ手袋は、今でもまた編みたいと思うほど。当初は、ゴフスタインの絵本『画家』からインスピレーションを受けて製作したのだ。
ある既視感に立ち上がってくる。
先月訪れたニセコの風景。
雪と雲と光が溢れる。

羊蹄山が向こうにそびえ、雪をはらんだ雲が浮かぶ。その雲の厚みは、やはり広島のこの季節のそれとは違う重みを抱えている。そして青空も広がり、雪と相まって光が溢れてた。
雪の白は、青みを増す。
この景色だったんだ。
ニセコを思う時、ふと口をつくのは「帰りたい場所」だった。なぜだろう。
「行きたい場所」ではなく。
私にとって、広島はもう仕事をする場所なのかもしれない。
わかっている。まだ雪国の何も知らないことも。
「帰りたい場所」
ぎゅっと喉の奥が熱くなった。
HOLY’S creators note vol.1 in 彦根
今年も、& Anneさんに伺うこととなりました。
北海道はニセコ、徳島Phil booksと続く企画展「HOLY’S creators note vol.1ーすべては手袋から始まったー」は、3月7日より、滋賀県彦根市、& Anneさんへ。
& Anneさんの記事からです。

嬉しいお知らせです。
ことしもHOLY’S保里尚美さんが&Anneにお越しいただきます。保里尚美さんの手仕事の歩みに触れ、心寄せるあたたかな時間をお楽しみください。
HOLY’S creators note vol.1
ーすべては手袋からはじまったー
creators note EXHIBITION
2026年3月6日(金)-3月17日(火)
10:30〜18:00
※定休日 水・木曜日
会場:&Anne room1.2
creators note WS
2026年3月7日(土)13:00–16:00
HOLY’S creators note は、
手仕事の軌跡と思考の過程を、展示と対話を通して共有する企画です。
vol.1「すべては手袋からはじまった」では、手袋を起点に、フェアアイルへと至る私の仕事の流れを辿ります。
完成した作品だけでなく、試し編みや思考の痕跡も含め、なぜそれが仕事となり、書籍へとつながっていったのか。その過程そのものを、展示としてご覧いただけます。
creators note EXHIBITION(展示)
会期中は、どなたでもご覧いただける企画展示として、手袋、フェアアイルの試し編み、関連資料などを展示します。
拙著『手袋と街』につながる手袋と、
フェアアイルへと向かう試行の時間が、今回の展示の主軸です。
※展示のご観覧は無料です。
creators note WS(ワークショップ)
HOLY’S creators note WS は、
ものを作らないワークショップです。
展示を背景に、これまでの仕事を振り返りながら、なぜ今のクリエイションに辿り着いたのかをお話しします。
WSは4部構成です
* 第1部|導入
* 第2部|コーヒーとの時間
* 第3部|シェアの時間
* 第4部|実演
WS開催概要
* 日時:2026年3月7日(土)13:00–16:00
(30分前より入場可)
* 参加費:10,000円(コーヒーと焼き菓子付き)
* 編み物の経験は問いません
* 参加費は当日受付にてお支払いください
WSお申し込み方法
菓心おおすが ホームページお問い合わせフォームまたは電話(0749-22-5288)まで
お名前・電話番号・参加人数をお知らせください。
展示・販売について
展示に加え、HOLY’Sの書籍、関連本、ゴフスタイン絵本、オリジナルTシャツやバッグを販売いたします。
また、MOUNT COFFEEさんによるHOLY’Sニットをイメージしたオリジナルブレンドの販売もございます。
※『働くセーター』写真展 同時開催
写真家・吉森慎之介さんによる
「働くセーター」写真展も併せてご覧いただけます。
みなさまにお会いできること、心より楽しみにしております。
