HOLY'S BLOG

4月27日

友達のお墓参りを終え、急斜面の自転車を押していると、農道から出てきたおじさんと顔を合わせた。

「たいへんじゃのう」

こちらを見るともなくおじさんが言う。

「私は、たまの墓参りにですけぇ」

労われるには、後ろめたさがあった。

家族の頻度に比べると、申し訳なさがある。  

最近あったことと、これからのこと。 報告することは、いろいろあった。

「ほうかぁ」

「ありがとうございます」

おじさんは、車止めに入ってった。

私がまだ自転車を押していると、後ろからおじさんの自転車が追い越して行った。

私は「電動かあ」と声が出た。

「さすがぁ」 私が言うと、おじさんは前を向いたまま、手を振ってくれた。

空は高くて気持ちよかった。

  おじさんの「たいへんじゃのう」は、電動じゃない私の自転車のことだったんだ。

言葉は、受け取る側が意味を作るんだなと思う。

私がしてもらったたくさんの「恩送り」は、天に届くんだろうか。

墓石を見ると、ちょうど彼女の月命日だった。

今度は、ハイキングを兼ねて来たいと思う。 水源の山並みは深く、彼女のようになりたいと思った。