桜満開の山
HOLY’Sオーダー会、キャンペーン中です。(笑)
制作は大真面目です。こちらっ。
高野町のお客様より、緑のセーターから2年後、カーディガンのオーダーを頂いた。
4月の頃、高野町の山々の桜満開なピンク色カーディガンを、とのこと。
パターンはすぐに決まった。
胸までは、リスのベストに使った木のパターンを配置、胸の切り替えに八芳星。
可愛過ぎず大人の女性が着る桜満開のカーディガン。
イメージはすぐに決まったのだけど、配色では、正直時間がかかった。
ピンクをベースにしてそれより淡い配色にすると、ベイビー服のようなファンシーでラブリーに寄ってしまう。
いろいろ試して、ピンクをペールピンクではなく、霜降りのピンク(Dog Roseという色)にしてみたら、道が開けたように配色が決まっていった。
落ち着いて、すがすがしくさえなったことを覚えている。
ボタンは、白の貝ボタンで写真ではわかりにくいけれど、控えめに花びらの形に刻まれている。
ちょうど、自分のボタンストックの中に、このカーディガンのためにと取っておいてたように。
仕上がってお送りしたら、喜んで頂けて、自分ととても嬉しく小躍りしたのだった。
このカーディガンに取り組んでいる最中、街でマリメッコの生地を見かけた。
比べるのは大変おこがましいのだけど、
つくづく自分は、日本人で、霞がかった風景を見続けてることを自覚した。
ある鏡開きの日
こんな写真も出てきた。
3年前か、鏡開きと編み物クラブが重なり、うちの鏡開きに付き合ってもらって、みんなでぜんざいを食べた日のことだ。
偶然、居合わせた友人と友人が、HOLY’Sのベストを着ている。
こんな風にひとりひとりの日常の一着になれたらと、心から思う。
二人してデニムシャツと重ねてるところも、たまらない。
ヘチマカラーのカーディガン
またしても前に撮った写真、旧式デジカメ(薄いカードの)現像シリーズです。
原毛色での、この柄この配色で、ヘチマカラーのカーディガンのご注文を頂いた。
長野でのこと。
オーダー頂いた女性は、シェットランドヤーンで編まれたセーターをすでにお持ちで、その暖かさをご存知でした。
このパターンでは、これより前に3着作っている。
前開きベスト2着と、大判のショールだ。
http://holys-knitting.com/works.html
(2010年の『巻物展』を見て頂けたらと思います。)
試し編みを作っていた時は、自分のカーディガンとして考えていた。
展示会の折、幾つかの試し編みの見本として置いていた中で、別々の友人がこれを気に入ってくれて、オーダー頂いた。
お二人とも、お揃いのように前開きベストだった。
お一人は水牛角のボタン、もうお一人は今は製造していない木のボタン。
ボタンが変わるだけで、水牛角ボタンは大人っぽく、木のボタンは可愛らしく仕上がった。
さて、問題はヘチマカラーだ。
ニットでのヘチマカラーは、幅広のゴム編みで、折の部分はゴム編みの長所を生かして襟の仕様となる。
しかし、シェットランドヤーンで編むフェアアイルでは、その薄さと裏と表があるために、ただその形に編むだけでは事足りない。
このことは、フェアアイルの大先輩佐藤ちひろさんから学んだ。
薄い台形の台襟を編み、折れる襟は裏表を逆にして丸いカーブを作りながら編んだ。
ここは、洋裁の仕事をしていた母からだ。
この試し編みは未完であり、本番では、幅広の柄に濃淡を作っている。
自分のカーディガンは、まだ出来ていない。
ある朝のこと
おかげ様で、最近会ったそれぞれの友人から、前倒しでオーダーを頂いて、嬉しい限りだ。
2年前に京都に転勤となった友人が、里帰りの際、うちに寄ってくれた。フットウォーマーを注文したいと言う。
もちろん喜んでと、フットウォーマーの編み込みパターンと毛糸を選んでもらった。
京都の冬は噂通り、底冷えがして寒いという。
仕事中、足元が寒くて敵わないと、昨年の冬に、私の手元にレッグウォーマーのストックはないかと連絡をもらっていた。
あいにくその時、ストックはなく、残念ながらと返事をしたのだ。
会社の中で上の立場にもなり、居残りのデスクワークも増えているだろう。夜のペチペチと音のするあの床は、それはひんやり凍える冷たさだ。
今回ちょうど、こちらに帰るタイミングとオーダー会のお知らせが重なり、次の冬に備えたいと言う。
予定と予定の合間にうちに寄ってくれ、限られた時間の中で確実に自分の色を見つけ、次の約束へと向かった友人。
次の朝は早くから、出掛けなければならなかった。なのにふと、昨日のことを思い返し、涙が止まらなくなってしまった。
準備の手が進まない。
なんだよ、出かけられないじゃないか。
季節を超えて、覚えてくれていたことが嬉しくて堪らない。
こう書いている端から、また鼻の奥がツーンとしている。
今年の夏は、この友人を始め、また別の友人、友達のを、ひとつずつ編もう。どれもどの人へも、とっておきのお似合いになるように。
夏のイベントなんて、何にもいらない。
緑深いセーター
こちらも、5年前にオーダー頂いたフェアアイルセーターです。
ご縁を頂き、広島でのりんごの産地、高野町にお住まいの女性に、「大好きな緑で丸首セーターを」とオーダーを頂きました。
年上の方に失礼ですが、小柄で可愛らしい方です。
緑と一口に言っても、シェットランドヤーンでは、微妙な風合いも入れると20色以上あります。
まず、基本となる緑を一色選んで頂きました。
選ばれたのは、「Tartan」(今、改めて「タータンと認識しました。ずっと「ターザン」と思ってました)
それを地色に試し編みを作り、郵便でお送りして、確認頂きました。
混ざり糸の濃淡の緑が何色も入り、花模様の白がより際立ちます。
襟口と袖口には、ご本人のお気に入りのセーターと同じ仕様でとのこと。
2色のゴム編みの上に、一色のメリヤス編みを重ね、くるんとなります。
これだとゴム編みも締まり過ぎず、セーター自体も柔らかい雰囲気になるようです。
サイズはゆったりめではありますが、9号よりわずかに小さいサイズです。
高野町にはまだ行ったことがないのです。あの辺りは広島でもブナの原生林が残るところと、何かで読んだ覚えがあります。
本物の緑を見たら、また違うパターンが作れるのかと考えて、
ならば、まず足腰鍛えておかないと、と強く思う今朝でした。
数年前に作った作品の紹介が続くのは、今の所に越してきて、最近やっと近所にフィルム現像をお願いできる店が見つかったからです。
そしてその写真をさらにスマートフォンで撮るという、きっとやっちゃダメな感じのことをしています。
平面的な写真であることをお許しください。