HOLY'S BLOG

毛糸整理

昨日は、大量発注した毛糸が届き、その整理に朝の3時間を費やした。

毛糸屋さんが、長い夏休みに入られるので、自分用の今回オーダーをお受けした分と、編み物クラブの方々のも加わり、一昨日大きなダンボールが届いた。
今までの中でも、最高の量。

編み物クラブの方々も、腕が上がって、フェアアイルに挑戦される方が増えてきており、次はセーター、次はカーディガンと、どんどん大作になっている。

まずは、クラブの方の必要分をお1人分ずつ必要な色を確認しながらセット、
そして、自分の今回のオーダー会でご注文頂いたものに必要な分を、色別に分けていく。
オーダー分の色が決まってる組み合わせのものは、一緒にしておく。

棚から外して雑巾をかける。
化学繊維が苦手で、モップやホコリ取りはうちにはなく、ひたすらブラシと雑巾がけ。
ホコリがするのでくしゃみが出る。

編み物クラブの度に、クラブのみなさんにも棚から必要な色を見てもらうし、自分も作ってる間は出したり入れたりで、半年に一度のペースで整理してもしばらくしたら、すぐに「とりあえず突っ込んだ」状態となる。

昨日は、ひとつの棚の中でも薄い色を左側から右側に変えてみた。

あれだけ沢山の毛糸も、クラブの方々の分をのけて、自分用のが全て棚に収まった。
ぴっしりの棚と、隙間のある棚と。
背中を押される気持ち。

これが終わらないと、落ち着いて仕事を始められない。
踏み台昇降運動のような棚の整理を終えて清々している。
さあ。

動物たち

デンマークのデザイナー、カイ・ポイゼンが作った木製の動物達は、サルを筆頭に今では北欧雑貨展では見かけないことがないほど有名だ。
私も、『暮らしの手帖51号』の特集で、サル以外の彼の作った動物達、ゾウやクマの木製玩具の写真に釘付けになった。
そして密かに決めたのだ。
私は、編み物のカイ・ポイゼンになろう、と。

もちろんおこがましいこと、この上ないのはわかっている。でも目指すのは自由だ。

この記事を読む前にこの3つの動物は作っていたから、できないことではないと思っている。

これより前は、ゴフスタインの『おばあちゃんの箱船』を読んで、私もノアの箱船に乗る動物達を作ろうも思ったのだ。
4本足の動物ならバランスを変えて作れると確信したからだ。
(ニワトリは、どうするつもりだったんだろう)

そんなことで、読んだものに影響され易いことは否めないけど、カイ・ポイゼンもゴフスタインも、好きだから仕方ない。

今回のオーダー会、終了しました

おかげ様で、今回のオーダー会が終わりました。
私にとってはたくさんのオーダーをお受けし、今から気合が入っています。
色や形の好みを伺うだけでなく、どんな配色でなら一番心地良く着て頂けるかを、一緒に探っていく作業はとてもおもしろくてたまりません。
時に話は大きく脱線もしますけど、私にとってはその方を感じられる貴重に時間であり、
迷ってたことも、脱線から着地点が見つかることもしばしばです。

今朝のこと、
部屋の掃除を終え、お茶の支度や、今日のお客様にお見せする、必要な写真や編み地を用意しながら、とても心が落ち着いていくのを感じていました。

この夏をかけて、作ります。

次回のオーダー会は、今年の冬に出来たらと考えています。

さあ、作るぞー!

優しい色のフェアアイルベスト

編み物クラブにも来てくださってる女性からのオーダーでした。
前開きのベスト。
小動物のような可愛らしい雰囲気の彼女に、ベースのこの色を選んだのは自分だったんじゃなかったかな。

Camel、まるで、野うさぎやリス、ヤマネを思わせる色です。
何の色を合わせるかは少し考えましたが、彼女が自分の作品でも大好きで良く使われる、オレンジがかったButtercupの黄色が決まると、もう後は迷いませんでした。

自分でも大好きな配色の作品です。
強い色でなければ、どんな色でも合わせられそうです。

小さなドロップ色のボタンをたくさんつけました。

開催中のオーダー会、おかげさまでお一人お一人とオーダーを頂いております。
お話をしているうちに、お客様が選ばれた色に、「こんな色合わせで、着ていただきたい」と思い浮かんできます。
自分でもそれを早く見てみたいけど、手の仕事です。
気持ちばかり、ワクワクします。

アラン

お客様のなかった昨日は、終日編んでました。
今、シェットランドランドヤーンで、アランを編んでます。

自分の好きなパターンを組み合わせてデザインしたら、隔段で目をあっちこっちさせなくちゃで、思いの他、歩みが遅い。
つまり、商業的デザインではないということ。
自分のやってみたかったことを盛り込んで実験的に、好き勝手に作らせてもらっている。
だからこそ、このパターンでやり遂げたい。

アランが極太の毛糸で編まれるようになったのは、紡績の機械化が進んで、手編みでありながらも大量生産、海外輸出されるようになってからで、
女性達が家族の為に編んでいた頃は、もっと細い糸で繊細に編んでいたようだ。
だって太い糸のセーターはやはりモコモコして動きにくいもの。

ニットは労働者の作業着だったから、動きやすく、そして温かさを追求された。
剥いだり継いだりも極力避けて、(なぜなら、そういうところが目に負担がかかり痛みやすいから。)輪でなるだけ編んだと思う。その方が、痛んだ時の編み直しもしやすいのだ。

豊かなパターンでより美しく手を掛けて編みながらも、丈夫さと少しでも効率良くと、考え尽くしたはずだ。

目を詰めて温かくずっしりでも、体にジャストフィットで編んで、
剥ぎもなければ脇がすっきりして、動きやすかったことだろう。
漁や、石を割る厳しい労働の身を守るセーターとして。

オーストリアの原毛一色で編まれてたセーターが、古い文献を見ると、セーター全体にいくつものケーブルパターンが盛り込まれ、まるでレリーフの様。
それは手の込んだもので、真似しようと簡単には思えない。

東欧の内陸部、トランシルバニア地方がヨーロッパの起源だったそうなので、オーストリアの編み物のパターンも、巡り巡ってアランセーターになったんじゃないかと、勝手に解釈している。

手間を惜しまない仕事というのは、現代ではオートクチュールかハイブランドの話、もしくはお金持ちの趣味の世界でしかあり得ないのか。

そんなことを考えながら、編んでいる。

どうにかなんないかなぁ。
この自分の仕事の遅さもね。(笑)

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