年明けの編み物クラブ
白い米から時間をかけて、
静かに炊いたお粥に、
別の鍋でさっと煮た野菜を入れたら、
きれいなお粥が出来ました。
1月7日、今年の編み物クラブの幕開けでした。
ちょうどその日は、この地区のとんどの日で、
こんな近所で、大きなとんどが見られるとは、
前以て連絡できるメンバーには、早めに来られるならとお知らせし、一緒に見ることにしました。
ご一緒できずに、ドアの前でお待たせしてしまった方には、申し訳ない。
正直この時だけは、クラブよりとんどが大事と思いました。
時間通りに始めるよりも。
幸先も願わなくては。
クラブのみなさんには、いつも元気でいて頂きたい。
数人の6年生が最寄りの神社から運んだ「御神火」から点火し、立派などんどがどんどん大きな火となりました。
10m以上離れていても、顔はぼぅと熱くなり、踵まで温まる炎でした。
乾いた竹が、バリバリと音を立てて燃えました。
こんなに大きな火を見るのは、いつぶりだろう。
ただ黙って火の行方だけを、見つめ続ける時間は。
とんどで始まった今年の編み物クラブ。
破竹の勢いとはいかなくとも、
その日、昼夜と食べたお粥のような編み物クラブにしたいと思いました。
カステラ
いろいろ試したけど、何ひとつうまくいかないし、できない。
カステラを焼いてみた。
途中で何度もやめようと、ベーキングペーパーを敷くのだって、手間取っちゃって、えらく時間がかかってさ。
カステラできた。
2日置くと、おいしくなるそうな。
年明け編み物クラブのオヤツかなぁ。
現状維持って、今より少しずつ上がっていかないと、現状維持にはならないと、ラジオで大吉先生が言っていた。
今の私は、そんなことは程遠く、さらに風邪まで引いたので、畳の目を数えるように、(これは男女の別れの常套句だったか)
1mmごと、小さいのを積み重ねるしかない。
カステラを焼くのは、それに持ってこいの仕事だった。
失敗してもそう罪は重くなく、少しやる気を出せばたぶんうまくいくと、予想できるほどの。
ほぼ、ハンドミキサーの手柄。
「この海に」
大風邪を引き、年末年始の活動は強制終了となった。
『この海に』再読。

『アラン島』の著者J・M・シング作、劇作家としても活躍した彼の戯曲。
原邦題『海へ騎りゆく人々』
シングの『アラン島』は、紀行文で、アイルランド本島から訪れたシングから見る、独特の風習や神話から成り立つ島の生活が、軽やかに語られている。
その世界に浸り、いつまで読み終わりたくなかった。
自分もゲール語をシュルシュルと話してみたくなり、辞書はないかと探したものだ。
『この海に』
一人の老婆とその二人の姉妹は、かつては6人の息子と夫、義父が漁師として共に暮らしていた。
夫、義父、息子が次々と荒波に飲まれ、残った若い二人の息子も、一人を葬るまでもなく、最後の末息子まで旅立っていく。
厳しい海での仕事故、死体が上がれば幸運で、
引き上げられた靴下や、シャツの布端で、自分の兄弟と確認し、その事実をいつ母親に告げるのか、
兄のために編んだ靴下で「作り目は60で、4落としたからね」
姉妹のやり取りに、胸が掴まれる。
数日間は帰って来れぬ船に乗り出す末息子に、老婆が食事のパンを渡そうと、
そして渡せなかったその矢先、彼も呆気なく逝ってしまうのだ。
海が生きる糧の全てで、生き抜く事すら厳しいこの島で、全ての男手を失い、二人の娘と生き続ける老婆。
果てのない悲しみに、神さまの容赦などない。
訳者の高橋順子氏は、この戯曲を記しながら、東北大震災で出身の地、千葉は九十九里で、津波に奪われた沢山の友人家族へ思いを馳せる。
余震が続く土地で、「九十になる母も恐怖を飼い慣らしていこうとしている。」
銚子沖は豊かな漁場であり、潮風は荒いが、「海に面した土地は夏涼しく、冬は暖かい。」
私に何がわかるだろう。
表裏一体の、恵みを与え続けられる海に飲み込まれる命のことを。
広島には、土砂災害があった。
友人には、亡くなった知人や隣人がいる。
それでも私に、実感はないに等しい。
靴下の編み目を落とし、(多分裏編みのことだと思う)自分が編んだ確信はわかる。
人の命の重さなんて、自分の半径50cmでしかわからないと思う。
わからなさを自覚しなきゃ。
私がわからない事について、頼りなく掴んだ小さな確信を追って、思いを馳せる。
明日に続く一日
隣のおばあちゃんがくださった、おばあちゃんが育てた薔薇。
庭仕事初心者の私に、うちの畑に芽吹いた
「これがパンジーの芽ね、これは雑草」
と教えてくださり、
「温かくなったら一緒に取ろうね」
と約束しました。

18才の頃、勤めた会社の社長がわずかな入院の後、12月の初めに急死された。
社内の大掃除を終える頃、私は花を買ってくるようお使いに出された。
社長が正月休みの間、寂しくないように。
水仙を選んだ。
年が明け、出社しドアを開けた瞬間、
甘い香りがひんやりとした事務所いっぱい立ち込めていた。
花瓶いっぱいに活けた水仙が。
ボタングローブのお直し
手袋の修理が届きました。
中指の横を傘で挟んでしまったそう。

このくらいの糸切れなら、すぐにお直しできます。

少し白めの毛糸のところが、新しく編み目を入れたところです。
仕上げ洗いをしたら、すっかり新しい毛糸は馴染んでしまうのですが、毎日使う季節です。
仕上げ洗いは春先に任せ、引き続き使って頂きます。
この手袋、もういつお作りしたのか思い出せなません。
もう5~6年は使って頂いてることでしょう。
自転車通勤のレザー仕様です。
毛糸のままだと、手の平は傷みやすいので。
彼女の手の輪郭をなぞって、厚みを図り、
色を選んで頂き、お作りしました。
ラズベリー色が、彼女のラッキーカラーだと聞いた覚えがあります。
すっかり彼女の手の形になっています。

久しぶりの友達に会えたような、小さなやりとりがうれしいです。
Button Glove+ Suede
col.Sholmit/White+Raspberry
Shetland from Jamieson’s