HOLY’S @ 浄土寺
おかげさまで、京都の展示も無事終わり、広島に帰って2週間も経つ。
やっとたくさんの用事を片付け、いつもの作るばかりの生活へと向かっている。
浄土寺でのこと。
いろいろあったけれど、ようやく昇華し始めているところ。そうなると全て良かったと思えてくる。
仕事仲間に対して、思うところは多々あり、時間を重ねることで、深まることの多くを、胸の中に抱えている。
ただ「ありがとう」の言葉じゃなくて、
うまく言い表せない気持ちは、今度会う時、伝えられるだろうか。
淡々と日々は、それぞれの色に戻っていく。
この吉森さんに撮ってもらった写真の中には、私の胸に抱えている空気も表れているように感じる。
浄土寺の山からの流れる川の香りを、私はすぐに思い出せる。
photo: Shinnosuke Yoshimori
大樹郎さんの指人形
喫茶ホーボー堂大樹郎さんの指人形
喫茶ホーボー堂の佐藤大樹郎さんは、今、瀬戸物で出来た置物や、人形の頭に何か被せることにハマっておられるそうで、この指人形を買ってくださった。
他にも指人形はあったけれど「これが一番かわいい顔してる」と言って、HOLY’S初期のうさぎの指人形を選ばれた。
私は「京都にはそんな需要があるのか」と驚きながら、実はドキンとしていた。
この指人形は、輸入ボタンの買い付けと卸しをやってる会社からの依頼で、ボタンを使ったニットを作るきっかけだった。
ボタンを付けるニットを作りながら、ボタンの映えるニットを作りたい。
その頃に考えた手袋や指人形は、今もHOLY’Sの定番アイテムとなっている。
てんとう虫ボタンはいろいろあるけれど、ドイツはWAlter社のガラスボタンのてんとう虫は、色も形も愛らしく、
私は、うさぎのボディはシンプルに仕上げ、顔さえかわいらしく刺繍することに専念していた。
今でも、指人形の顔を刺繍する時は、いい顔になるようにぎゅっと集中する。けれどあの頃のワクワクとは、違ってきているのかもしれない。
今回の京都で、喫茶ホーボー堂さんのおはぎと、季節野菜弁当をいただいた。
おはぎは小ぶりながら、ひとついただくと体に染みて大満足。
お弁当は、栄養がたくさん詰まってて、パンチの効いた食べ応えのあるおかずばかりで、酵素玄米ご飯も本っ当においしかった。
大樹郎さんが、何にこのうさぎを被せるのか、楽しみにしている。
「働くセーター写真展」終了しました
今日をもって「働くセーター写真展」ホホホ座浄土寺店 @hohohoza の開催終了しました。
写真家・吉森慎之介さんの「働くセーター写真展」は「a sweater.」フェア中の無印良品京都山科で移ります。
写真は、今朝の船岡山です。
船岡山文化祭での「即興指人形」も宿題をふたつ残しながら、おかげさまで無事終了しました。
京都、または遠くからホホホ座へ、無印良品、岡崎公園、船岡山へと足を運んで下さったみなさま、本当に感謝しています。
今回の「働くセーター写真展」
東京は荻窪、本屋T i t l e、ホホホ座浄土寺店と、おかげさまで無事終えました。
私にできること。
私はまた作ります。
これからも、どうぞよろしくおねがいします。
私の「ゴールディーのお人形」
京都から帰り、久しぶりの自分の部屋にいるのに、私の襟元には、確実に違う香りがしています。京都の空気を私のタートルネックのセーターがはらんでいるのでした。
山登りの後に近い。山から流れる川の香り。
セーターは、ウールと空気でできているんだった。
ふと思い出したことを書きます。
「ゴールディーのお人形」について
私の解釈を話してみます。
ゴールディーは、仕事先で出会った中国製のランプに魅了され、自分の稼ぎも顧みず、高価なランプの購入を即決し持ち帰ります。
仕事仲間であるオームスに秘密を打ち明けるようにランプを見せるものの「正気とは思えない」と言われてしまいました。
食うや食わずで生きられるはずもなく、材料費もかかるのに。ゴールディーは自分の現実に引き戻されると共に、その価値感が理解されることのない孤独を味わいます。ほのかに抱いていた恋心も幻のように消え去り、それは同時に失恋も意味します。
自分が大切に思うことは、ほんの取るに足らないこと。日々の積み重ねも泡のよう。自分がちっぽけな存在にしか思えなくなり、気がつけばゴールディーは泣いていました。泣いたまま疲れて眠ってしまいました。
夢の中に現れたのは、ゴールディーを魅了したランプを作った中国の女の子でした。「あなたがわかってくれたから、私たちは友達ですね」夢の中で女の子はゴールディーに呼びかけます。ゴールディーは、笑い出しました。自分が製材された木材からではなく、見つけた枝っきれから人形を作る理由が、はっきりとわかったからです。
私が「ゴールディーのお人形」と出会った頃、私はゴールディーより何も持っていませんでした。部屋は賃貸ですし、ゴールディーほど確実に売れる商品はありませんでした。よほどアルバイトで稼ぐ方が穏やかに過ごせると分かっていても、自分の仕事はそこにあり、知らない誰かの元に、私の作るものは少しずつでも届いていたのです。
それだけを頼りに仕事を続ける日々でした。
「働くセーター」もそのひとつ。
ゴールディーは、私に教えてくれました。
私の作るニットもきっとわかってくれる人がいることを。孤独の背中あわせには、きっと繋がる何かががあることを。
*「ゴールディーのお人形」作・絵 M.B.ゴフスタイン 訳 末森千枝子 現代企画室刊
「働くセーター写真展」京都・ホホホ座浄土寺店 11月3日(水)まで。
週末から、また京都へ向かいます。
新作ベスト
このベストも持っていきます。
働くベストのアレンジです。
このベストができた時、福田さんに似合うと思って、モデルをおねがいしました。
福田利之さん@tofu4cyome
col.243 Stom size:4
@jamiesonsofshetland
この形も、オーダーお受けします。
働くセーター写真展
10月15日(金)〜18日(月) 本屋Title
10月23日(土)〜11月3日(水)ホホホ座浄土寺店