HOLY'S BLOG

11月某日

電車で少し遠出する。
車内でふと指先を見ると、ささくれだっていた。
家を出る前に、パチンパチンと爪だけは切った。
ヤスリをかける時間はなく。
爪くらい磨きたいと、もう夏から秋も終わろうとしている。
11月某日
母がお世話になっている内科の先生から母へ、ウールパンツのお直しがあるとのこと。
ボタンの卸屋さんに注文に行く帰りに医院に立ち寄る。
通りの裏側に公園があり、土手へと続いていた。
街中なのに人気がなく、しんとしている。



ウッディ・アレン映画で観たのはニューヨークの景色だったかと思い出そうとしても、オシャレっぽいことはいつだって言えないのだ。
今度はお弁当を持って来なくちゃと思う。
その時は、母を一人でうちに残しておくのだろうか。
母となら歩きで30分かかる。
一人で残すのか、二人で来るのか。
そんなことを考えながら、落ち葉の上に寝っ転がると、しばらく眠っていた。


郊外の住宅団地に住む頃は、時々天気のいい日に郵便局へ行く途中、道に転がった。
整備の行き届いた歩道に、人は歩いていない。
寝転ぶと空はぐんと広くなり、背中にアスファルトの温みを感じた。
そんなことで、日々をなんとかやり過ごしていたように思う。
こっちに越してから、道には寝転がれない。人通りは常にあるし、街には昼間、自転車に乗るおじさんがいる。
住宅地には昼間、自転車に乗るおじさんはいなかった。
11月某日
ウールパンツのお直しを届けに医院へ。
母は、昨日午後から仕事にかかり、さっさと仕上げてしまった。本人は気に入らないらしい。
それでも上がったものがうちにあると、いつまでも気にするので、お使いは他にもあり雨の中、カッパと長靴で出掛けた。

生憎、今日は公園に座れない。

公園は、細長く川下へと続いていた。

10月桜って言うんだっけ。


赤い実を口に入れてみる。
お腹が痛くなりやしないかとやっぱり吐き出した。
充電したはずの携帯の電源が、プチンと落ちた。
11月末仕上げの仕事に目処がついた。
もう一件の用事を終え、真っ直ぐうちに帰る。
歩数計は、9968歩だった。

11月某日
昨日のイタチくんが忘れられない。


自分をより客観的に見られる人は、人に対して優し過ぎる傾向にあるのかもしれない。
自分の心は無意識に押し込めて。
左右の爪の長さが違っていた。
右手は、先日切ったままの長さで、左手は白い爪が伸びている。その差は2mm。
職業的なものか。母も左右の爪の伸び方は違うと言ってたことがある。3日でこんなにも。
どこまで差がつくものが見てみたいけど、左手キャンペーンとして切った。
仕事は編み上がり、あとはひたすら糸始末だ。