ch.booksさん
私が唯一、売り込みのできる本屋さん、長野のch.booksさんへ冊子「a sweater.」を勝手に送ってみたら、ぜひ扱わせてください、とのこと。
ホホホ座の山下さんに手配を頼むと、オープン当時のch.booksさんへ、トークイベントに行ったと言う。
本屋さん同士なら、さもありなんかしら、と彼の飄々としたメールに軽く驚いて返信したものの、それはジワジワとやってきた。
ch.booksさんのオープン当時なら、私だって縁がある。
私の仕事が委託販売からはじまり、3度の個展をやらせていただいた長野「na_na分室」の目の前に、ch.booksさんはオープンした。
2011年、4度目の個展「HOLY’S in the Room」展は、前年よりna_na分室の恵子ちゃんからお題をいただいており、恵子ちゃんの中には、すでにビジュアルイメージがあったのだ。
DM撮影と製作を、いつも商品写真を撮ってくれているクラバヤシマユミちゃんに頼み、展示開催地の長野と広島、通しで使えるDMを作ることにした。
品物を送り、セッティングや撮影は、恵子ちゃんとマユミちゃんにすっかりお任せした。
モデルになってくれたのは、KOTASORAWORKSの瞳ちゃん。彼女も、長野で長く縁のある人だ。
今、思うと、自分が当時、どれほど彼女達におんぶに抱っこだったか、恥ずかしいほどよくわかる。
言い尽くせない感謝の気持ちが湧いてくる。
今回の冊子「a sweater.」で山下さんにインタビューいただいた最後、HOLY’SがどうHOLY’Sになっていったか、に尽きる。
そしてできたDMがこれだ。
ちょうど、ch.booksさんオープン当時、暑い頃の撮影だった。
ガケ書房の頃の山下さんと私のニットは、ニアミスしていた。
9月の連休から始まる会期中は、もちろん私も長野に滞在した。
na_na分室のある県町界隈なら、すでにお花屋さんのつぼみさんがオープンしていたから、休憩時間には、ch.booksさんと共によく顔を出した。ch.booksさんは天井が高く、猫がいて、古いソファがあって、とにかく落ち着ける場所なのだ。
昨年の「働くセーター写真展」の巡回では、na_na分室のお二人に迎えられ、長野開催も叶い、ch.books島田浩美さん、青木圭さんにも、働くセーターを着てもらった。
島田さんは、HOLY’Sができたばかりの頃からのお客さんだ。na_na分室の前身、na_naの頃から、客注のお名前で島田さんのことを知っている。
ガケ書房の頃の山下さんは、当時、インディペンデント系本屋の走りであっただろうから、全国で知られてた人なのかもしれない。彼からしたら、どこかの本屋さんと繋がりのあることなんて、珍しくないのかもしれない。
私はまだまだ、私の繋がりのある唯一の長野と、そして地元広島を行き来するのがやっとだった。
本屋、本屋。
本屋さんのことを考えるとドキドキする。なんて胸がときめく場所なんだろう。
全国で本屋さんはたくさんある。
長野には、松本も含めると文化圏の高い場所と聞いている。私が知らないだけで、すてきな本屋さんは他にもあると思う。
私の小さな点と点を繋ぐ長野と、今回の京都。こんなことってあるのかしら。しばし呆とする。