2015.06.17
ある朝のこと
おかげ様で、最近会ったそれぞれの友人から、前倒しでオーダーを頂いて、嬉しい限りだ。
2年前に京都に転勤となった友人が、里帰りの際、うちに寄ってくれた。フットウォーマーを注文したいと言う。
もちろん喜んでと、フットウォーマーの編み込みパターンと毛糸を選んでもらった。
京都の冬は噂通り、底冷えがして寒いという。
仕事中、足元が寒くて敵わないと、昨年の冬に、私の手元にレッグウォーマーのストックはないかと連絡をもらっていた。
あいにくその時、ストックはなく、残念ながらと返事をしたのだ。
会社の中で上の立場にもなり、居残りのデスクワークも増えているだろう。夜のペチペチと音のするあの床は、それはひんやり凍える冷たさだ。
今回ちょうど、こちらに帰るタイミングとオーダー会のお知らせが重なり、次の冬に備えたいと言う。
予定と予定の合間にうちに寄ってくれ、限られた時間の中で確実に自分の色を見つけ、次の約束へと向かった友人。
次の朝は早くから、出掛けなければならなかった。なのにふと、昨日のことを思い返し、涙が止まらなくなってしまった。
準備の手が進まない。
なんだよ、出かけられないじゃないか。
季節を超えて、覚えてくれていたことが嬉しくて堪らない。
こう書いている端から、また鼻の奥がツーンとしている。
今年の夏は、この友人を始め、また別の友人、友達のを、ひとつずつ編もう。どれもどの人へも、とっておきのお似合いになるように。
夏のイベントなんて、何にもいらない。