HOLY'S BLOG

灰汁巻きなるもの

鹿児島出身のお隣さんから、ご実家から送られてきたという「灰汁巻き」を半分頂いた。竹の皮に包まれたナマコ状の、太巻き位の大きさの、半分だ。
味見してみると、味のないチマキのさらに餅よりも柔らかい。
まさしく木炭の灰から灰汁を取り、そこに粳米を漬け込んでから、竹の皮に包んで蒸してあり、きな粉砂糖をかけて食べるとのこと。
一口は、きな粉で食べてみた。
少し酸っぱい様な、確かに木酢液のような匂いもする。ちょっと癖がある。
ふむ、確かにおやつといえばおやつ。

祖母譲りの餅食いとはいえ、四十を超え、お餅を甘く食すことに全く魅力を感じなくなってしまった。
今のヒットは、おろし納豆だ。

この灰汁巻きを、美味しく頂きたい。

少し調べてみると、「灰汁巻き」とは、鹿児島の郷土食だが、その味のなさにお土産としての外交手段には選ばれず、他県に日の目を見なかったらしい。
しかし、灰汁浸けした米を蒸すことによりより、冷めてもアルカリ性の保存食として、餅以上の柔らかさもそのままに、遡っては戦国時代、豊臣秀吉が云々、、
とにかく重宝したらしい。
粳米が、餅になる。その贅沢。

どう頂くかを、ここ二日考えていた。

冷やすと少し匂いも和らぎ、切り易くもなるのだが、(冷えてても包丁で切ったら、そりゃあ大変な柔らかさ)
私は暖かく食べたいのだ。

ってことで、キリタンポよろしく、指示通り糸で巻くように切り分け、網では到底焼ける前にテロンと落っこちるので、フライパンで焼くことにした。引っ付き防止に油をしっかり引いたら、見事に吸って、高カロリー食となった。

豚汁を仕込み、焼いた灰汁巻きを入れた。

上に乗っかってる透明感ある茶色の塊が、灰汁巻きです。
滋味深いご飯となった。

そういえば、説明にはわさび醤油で、とも書いてあった。
今頃、一昨日頂いた柚味噌を付けても良かったのかと気づく。

いや、私は温かい汁物で頂きたかったのだ。

お隣さんには、帰省の折に「けせん団子」というニッキの葉で包まれた紫色のお餅も頂いた。
笹の葉より小ぶりな葉っぱに、握られた様に包まれていた。

地元の自分は、親不孝のたった半日の帰省で、お隣へのお土産もなく戻ってきてしまった。

おかげ様で、文字通りの初物続きの年が明けたと喜んでいる。