HOLY'S BLOG

『わたしの、終わらない旅』

横川シネマシネマにて『戦場ぬ止み』
と合わせて『わたしの、終わらない旅』も観ました。
http://www.cine.co.jp/owaranai_tabi/

冒頭から、私は衝撃を受けた。
監督の姉が住む「ガンジー島」。

そのガンジー島の対岸にあるフランスの核再処理施設から排出される水や空気が、海に空に、流されているという。海流によってまずは対岸のガンジー島、ジャージー島に流れ、その後、デンマークの海を巡り、大海に流れていくという。

ガンジー島といえば、「ガンジーセーター」と名前に付くほど、海の男達には欠かせなかったセーターとその発祥の島だ。
ガンジー島の主な産業は、酪農や農業という。

私がびっくりしたように、今や必ず誰かの好きな場所、好きな物が出来た場所が、私と同じように何かしら原発の被害を受ける場所に、すでになっていることを想像できてしまった。
今更そんなこと、幼稚なこととわかっている。でも多くの人の感覚なんて、そんなものなんじゃないかな。

世界の核処理施設の地図まで見てしまった。http://arch.inc-pc.jp/004/index_22.html

そして、そのフランスの核処理施設では、日本やアメリカからも運び入れられ、処理されているという。

その処理の仕方、ほんの20年前までだったか、人間の手によってなのだった。防護服に包まれているとはいえ。

監督の旅の始まりは、長野は須坂の小さな雑貨店を営んでいた母親の、小さなガリ版刷りから始まっている。原発の影響をこれ以上黙って見てはいられないという、子供達の将来を心配する母親の声として。

アメリカのビキニ環礁での大規模な核実験に寄って、故郷も生きる術も歴史も奪われたマーシャル諸島の人々。
カザフスタンでは、旧ソ連による核実験で、汚染された大地で生きる人々をみつめる。
広島、長崎、そして第五福竜丸と日本は被曝を体験している。
それでも私達は、原発に「核の平和利用」を夢みるのか。

この映画を観ずして、原発問題は語れない。
安部氏の発言が、机上の空論でしかないことを、私にだってハッキリということができる。

この映画が上映される日本に、私は希望を感じている。
横川シネマにも乾杯だ!