HOLY'S BLOG

別れについて

このところ、家電をはじめ、長く使い続けてきた大きいものから小さいものまで、ことごとく壊れた。

学生の頃から使い続けた鍋も琺瑯はとっくの昔に剥げ、ゴケつきも激しく、やっと手放す決心がついた。
リサイクルショップで安く見つけたダンスクの鍋に、席を譲ることになった。

そんなことをしていると、今までの台所のカラーリングが、
様変わりし、柔らかな印象になった。

憧れは、いつか見たデザイナー、マーガレット・ハウエルのキッチンのカラーリングだ。
強めの色ではなく、バラバラに見えて淡い色の重なり。

古い賃貸マンションではほど遠く、ヘソで茶が沸かせてしまうけれども、
鍋がきれいなうちは、やはり見ていて気持ちが良い。

物との別れが続くと、自分自身の別れについて考える。

後ろ髪を引かれてないか。
自分のやれることは、すべてやれたのか。

なんとなく、空っぽな胸の片方を抱えたまま歩いているような感覚。

悲しみはしっかり感じ、また歩き出そう。
きっと神さまが見ていてくださる。

人目線で考えると、春に咲く花は、別れの背を押すために、咲いているのかもしれない。

そして、新しい出会いを迎える勇気のために。

手放していこうと思う。
きっと良いことがある。

別れでまず思い浮かんだのは、この曲だった。