HOLY'S BLOG

今年も長野より


長野の友人より、今年もりんごが届きました。
彼女との始まりは友達からでも、仕事相手でもなく、私のニットを使ってくれてるお客さんで、
大切な友人へと変わるのに、そんなに時間は必要ありませんでした。
長野では今頃もう、囲まれた山々から吹く風が冷たくなり、朝晩のピンとした空気も感じられるはずです。
長野女子の秋の始まりは、柔らかなストールを首に巻くことからと、
数回通った個展の間で、私が勝手に決めたルールです。
仕事の旅なので、緊張の続く滞在のはずが、不思議と楽しい思い出ばかりの長野です。
それでも毎回、帰りの『しなのワイドビュー』の車内では、自分がひと回り大きくなった気すらしていました。(既にしっかり大人なのに。)
個展は毎回賭けなので、結果が出なければ、夜逃げする覚悟で臨んでいました。
長野でオッケーを頂ければ、広島でもきっとなんとかなるだろうと、少し気持ちに余裕が生まれます。
それはきっと、これからも変わりはありません。
長野で自分は背中を押してもらったんだと言い聞かせ、
広島駅に辿り着く頃には、空気はすっかり変わり、
ホームに降りると、潮の香りすら感じられ、肌に当たる生暖かい風は穏やか過ぎると、今度は長野が恋しくなります。
気持ちはすっかり冬支度へと向かっていたのに、まだまだ夏の残り香の広島に、汗を掻くのです。
長野を愛しく想うのは、こんな風にあちこちに、幼馴染でも、クラスメートでもない。
自分の個展会場として、また古くから私の作るニットを委託販売してくれたノーノ分室で出会ったお客さんや、同業者と言われる物作りの作家や、デザイナー、お花屋さんなど。
すっかり大人になってから、人から人へと繋がった、ただ接点の強さだけで続いている友人がいるからです。