HOLY'S BLOG

フランスの空、イギリスの雲の下

先月、フランス滞在中の友人が、「パリに行って来ました」と、手芸屋さんの写真を送ってくれた。

全面ガラス張りで明るい。
これがフランスの風土なのかと、まず目を見張る。
ついつい、布は日焼けしないのかと、勝手に心配をするけれど、商品の回転が早ければ、それで良い。


雑誌の中で見たことのある毛糸が並んでいる。
ふむふむ、フランス人の色の好みとはと、分かったような気になる。
モーブ色と呼ばれる紫の濃淡が豊富。


価格表。
ドキドキしながら、円に計算をしてみた。
日本の値段とそんなに変わらないかと。
ベビーアルパカ、さらにカシミアは、やはり良いお値段。


このボタンコーナーの種類の多いこと。
厚紙に縫い付けてあるボタン売り方ではなく、マーブルチョコの筒型ケース。色別にザックリ。
日本で見ることのない陶磁ボタンがきれいだ。
ボタン製作で生計を立てたルーシー・リーを思う。
下の段は、子供の目線に合わせてるのか。
小さなお皿においしい物が、たくさん並んでいるように見える。

友人の視点に、自分の背も高くなった気がした。
見たいところを納めてくれた、友人のセンスがたまらない。

最初は、イギリスへ10日間ばかり、ヨークシャーやエジンバラへも行けるかもしれないと、連絡を貰ったのだ。
ヨークシャーと言えば、産業革命後、毛織物工場が立ち並び、貿易都市となった街だ。
エジンバラ(調べた。語源はケルト語らしい)は、スコットランドの首都であり、イギリス国内では、ロンドンに次ぐ観光地。
ケルト文化の砦が色濃く残る云々。
ならばその前にと、パリの手芸屋さんも立ち寄ってくれたのだ。

先週末に届いたメールには、エジンバラの作家もののニットウェアのお店の写真が、たっぷりと添付されていた。

とにかくカラフル。日本人の色感覚との違いを感じざるを得ない。
Jamieson’sのセーターは、日本のセレクトショップへの輸出用に、特別に発注してると聞いたのも、納得だ。
シェットランドには、フェアアイルを編める編み機があり、それは機械と言えども、多色ゆえ、使い手の力量に掛かっているらしい。
マフラーに付いてる二つの革ボタン、輪っかにしてスヌード使いが出来るってことかしら。

商品の量もさることながら、サイズの大きさに目を見張る。
身長何センチ標準なんだろう。
マフラーのボンボンだって、大きい。


指無し手袋の作風の違いで、「これとこれは同じ人」が作ったと、分かる。
ミトンはきっと、ダブルニット(編み地が二重)で、あったかだ。
この仕事を始めたころ、イギリス人二人の女性の手袋を作ったことがある。
リサとキャサリーン。
リサは指こそ長いが、自分の手とそれほど変わらなかった。
キャサリーンは、身長175cmを超える金髪美女で、参考にしたのはメンズのLサイズだったことを思い出した。


ニット オン ニット。
ウール100%どおしなら、静電気とも無縁のはず。

とにかく量の多いこと。
帽子だって選り取りみどりだ。

洋服屋ではなく、ニットウェア専門店なので、頭から爪先までニットで包むことができる。

最後にこの写真。
キルトスカートの仕立屋さん。

オーダーメイドで作っているお店はいくつかあったとか。
キルトスカートは、サイズだけでなく、チェックのどこからどこまでの長さで布を裁つか、
折り幅をどこに、どの幅で取るかに寄って、同じ生地でも派手さ加減が変わるし、
縫い止まりをどこまでにするかで、その人の体型に似合うスカートは違ってくる。
そんな小さなこともオーダーできるなら、夢のようだ。
足踏みミシンもさる事ながら、手前に見えるのは折幅を決める木製のスケールか。
小さなハサミは、マーチャンミルズ製かしら。
腰からぶら下げるポシェット、奥には、キルトに合わせるハイソックスの数々。
さらに、老舗靴屋『Loake』のロゴが!
タッセルローファーが並んでいるのかな♪
Loakeの靴なら、ウィングチップだって、いつか手に入れたいと憧れている。
きっとベレー帽も並んでいるに違いない。


この店とは別の看板。
鉄の切り抜き、黒塗りが素敵だ。
友人が、イギリスに行くからと、ウールの本場を見せてくれたことが、この上なく嬉しい。
きっと次に会う時には、一目で良し悪しを見極めるウール通となって、
「これはね」なんて、教えてくれるかもしれない。
「Bonne journ?esoir!」と書かれたメールに、「ほいじゃあのう~」と返したら、
「ほいじゃあ、行ってきます~~!」と返してくれた。