HOLY'S BLOG

使い続けたい物

うちのガスコンロのグリルの火が点かなくなって、サツマイモのホイル焼きも、何より秋刀魚が焼けなくなっていた。

今朝ふと思い付いて、ガスコンロの電池を変えてみる。

ダメだ。

カチカチと点灯するので、壊れてはないはず。ガスの匂いもする。
ここまではもう何度も確かめた。

ふと菜箸の先で、発火の先っちょの角度が、中に入れたものに押されて変わったんじゃないかと、ツンツン押してみた。

するとその手前の曲がった針金に、ススみたいなのが付いており、それが落ちた。
そのススの続きを落としてみると、

見事に着火するようになった!

まだまだ使えるうちのガスコンロ。

このガスコンロは、ここに越して来る時、知り合いの方のお父様の納屋に眠っていた、ほぼ新品の箱に入ったのを頂いたのだ。
納屋に眠ってたので年代物、すでに製造中止になってる型で、安全装置が付いてない。
これがわたしにとっては願ったり叶ったりで、
私は実家から、昭和の天火オーブンなるものを持ち出しており、安全装置の付いてないガスコンロなら使えるのだ。

消防法に違反している訳だ。

窓の付いたドアのある鉄の箱をガスコンロに乗せるとガスオーブンとなり、鉄板の高さを変えることで、上火、中火、下火が効かせられる。

私はこの天火オープンで、スコーンやパウンドケーキを焼いていて、これからもこれをずっと使いたい。

赤い私の、元は母の、ピースオーブン。

高校卒業まで、うちで毎朝のパンを焼き続いたピースオーブン。

実はこれだってすでに2台目で、1970年代に母が自分で買って、それこそ毎日のようにクリスマスのチキンや、誕生日ケーキや、そして週に何度かパンを4斤ずつ焼き続け、真っ暗になって窓もろくに見えなくなっていた。
ある日、働き始めた兄が、どこかのリサイクルショップで、全く同じ物を見つけて来て、さらに使い続けられるようになったのだ。

私が高校卒業して、うちを離れてから、
実家ではその物好きの兄が、まずは電子レンジを買い、パン焼き機を買って、天火オープンの出番は、すっかりなくなっていたので、
実家に戻った私が再び5年前にうちを出るにあたり、「持ってっていい?」と交渉した。

さすがに母は名残り惜しそうだったけど、使ってないのも事実で、
私はガラガラに天火を乗せてバスで移動させたのだ。

世の中は何時の間にか、ガスコンロの消防法が改正されていたけど、
私はおかげさまで、ひと昔前のガスコンロを頂いて、ふた昔前の天火オープンを乗せられる。

こんなしあわせなことはない。

先日もこの天火オープンで、クラブ用の、混ぜるだけの簡単さつまいものケーキを焼いた。

いつかうちでスコーンパーティをしたい。

けなげな温度計。

誰にもヒットしないピースオーブンの話、興味ある方は、焼きたい物をお持ちください。