片付けをしながら思うこと
ありがたいことにここ数年、2年半から3年くらいでしょうか。
おかげさまで忙しく仕事をし、走り抜けた感があります。
『一生ものアラン』『手袋と街』(文化出版局)2年連続2冊の刊行と、『わたしの一生もの〜「一生ものアラン」副読本』(dee’s magazine)と『アランニット帽編み方リーフレット」の自費出版と。
その前には『HOLY’S USAKUMA BOOK』(自費出版)の刊行もありました。
息をつく間もないほど、スケジュールを徹底して編んで制作を続けました。
それは、地方の編み物を生業とする身にとって、ねがってもあり得なかったありがたいことです。
本作りはチーム、そして日々の自分の仕事を行き来し、蔦屋書店でフェアもやっていただき、出張WSもたくさん機会をいただきました。
4月になり、やっと我に帰ると、これからオーダーの制作に取り掛かる前に、おざなりにしてきたうちの中に目が付きはじめました。
ひと所を片付けはじめると、あっちも気になりこっちも気になり、同時に、こんなに自分に集中することがなかったので、これからのことを考えます。
まず、私は『働くセーター』で、私を見つけてもらい、たくさんの方が編んでくださって、次の仕事へと続きます。
たくさんの出会いをいただき、その中には、生涯の友といえる幾人かに出会えました。
私はこれからも、編み物を、自分が生かされたこの仕事を、もっともっとやっていきたい。
作りたいものはたくさんある。
もっともっと作りたい。
そのためには丈夫な心と体を持って、しなやかに、日々に取り組みたい。
暮らしが仕事、仕事が暮らし
民藝運動の河井寛次郎が言った言葉が、私の生活も照らします。
私が編み物からいただいた恩恵を、これからはまたみなさんにお返ししたい。
そのためには、まず自分の暮らしを整えることに今は集中し、とことんやってやろうと思いました。
私には編み物を通してやりたいことがまだまだたくさんあります。
その機会が来た時に、潔く旅立つ準備を今からする気持ちです。
先日、友人でもあるMOUNT COFFEEさんのポッドキャスト「RADIO YAMABON」のshunshunさんの回を聴きました。
shunshunさんは、自分の絵で人を癒せるようになりたいと言われていました。
アーティストはドクターでもあるそうです。
私はそんなこと考えたことなかったけれど、働くセーターを編んでくださった方から、「働くセーターが本当に好き」と話されたことが何度もあります。
まさかそんな言葉を1人や2人でなくもらえるなんて、夢にも思っていませんでした。
私が編み物で光をもらったから、お返ししたい。
それは背伸びしすぎた考えかもしれないけれど。
私が編んだセーターを着た誰かに笑顔になってもらいたい。そんなセーター編みになりたいです。