HOLY'S BLOG

カワセミの神様

今朝、カワセミを発見した。
そーっと近付くと、ちょうど目の前を飛ぶ仲間を見つけたらしく後を追って羽ばたいた。

 

高3の時、仲の良かったクラスメイトと、ふっと授業をサボったことを思い出した。
私は、不真面目な生徒ではなかったけど、その日はそういう気分だったのだ。
高3という時期に授業をサボるなんて、今思うと随分肝が据わっている。
とにかくその時は、そうせざるを得ないほど、何か途方に暮れてたんだと思う。

いつも仲の良かった3人で、最上階の渡り広場を歩いていると(3年の教室は1階で、4階は、1年生の教室が並んでいた)急に飛んできたカワセミが手すりにぶつかって横倒しになったのだ。
私はその鳥をカワセミと知っていた。死んでしまったのか?と3人で見守りながら、そっと手で、カワセミの手足を整え触れていると、しばらく経ってカワセミは、目を開けた。
するとカワセミは横倒しになった姿勢を戻し、自分の足で立ったのだ。
随分長い時間、カワセミは、その場を動かず立っていて、まるで飛ぶのを忘れたかのようだった。
その日、私はなぜか小さなカメラを持っていて、そのカワセミを接写した。尖ったクチバシの横顔から、またカワセミのお腹からクチバシにかけて正面を下からあおって撮ったりもした。
それでもカワセミは、自力で立っていて目を開けているに動かなくて、このまま剥製になってしまうんじゃないかと心配すらした。
「どうしたんかねぇ」なんて話しながら、私たちもその場に佇んでいると、ふっとカワセミが飛び立ったのだ。

私たちは安堵しながら、飛び立つ先を見送って、ああ、あれば1時間目だった。2時間目から授業に出たのだ。

 

一昨日、その一緒にサボったクラスメイトと、安仁屋さんの靴のアトリエで、偶然会えた。私がアトリエに入ると、懐かしい横顔がそこにあり、旦那さまもいて、3人で目を丸くした。
数日前から、彼女のことを思い出し、会いたくなっていた。
街のメインストリートで、バッタリすることは今までにもあったけど(どうしてるかな?と思うと会えるのだ)特定の場所で、しかも同じ作り手の靴にお世話になってる。

私たちは、並んで写真を撮り、その足元を見て笑ったのだ。合わせでもしたかのような足元で、さらに安仁屋さん曰く、同じイギリス式製法の靴を履いてるらしい。

 

 

「並んで写真撮るなんて、卒業アルバム以来じゃない?」なんて言いながら、しばらく盛り上がった後、彼女たちが帰るというので、私も一緒にアトリエを出た。
仕事がまだまだ残っていたので、最初からそのつもりだったのだけれど、盛り上がりすぎて、安仁屋さんへの挨拶や、説明もそこそこに出てしまった。(安仁屋さん、ごめんなさい!)

彼女と旦那さまと近くに新しくできた店でアイスクリームを食べ(奢ってもらっちゃった!)興奮冷めやらずで、再会を約束し、自転車を漕いで帰宅した。

 

神様っているんだな。
私の神様は、カワセミなのかもしれない。

 

 

追記:一緒にカワセミを眺めたもう1人のクラスメイトに、会いたくて仕方ない。その友人のことを彼女とも話した。
私たちは、本当にその友人に会いたくて仕方ないのだ。