HOLY'S BLOG

Walterのガラスボタン

Walterのガラスボタンは、17〜8年前になるかしら。

当時恵比寿にあったボタン屋『botao』を訪れた時「うちのボタンを使ってニットを作ってみませんか?」と声を掛けて頂きました。

膨大なボタンの見本帳の中から使いたいボタンを選び、その時出来たのが小さなボタンを付けた指人形です。

手袋や帽子、バッグやルームシューズなど、ボタンを使ったニットを沢山作りました。

そのニット小物は、恵比寿の店舗や某デパートの催事にも並んだそうです。

今でもHOLY’Sニットに、ボタンを使ったアイテムが多いのは、私が服飾に囲まれて育っただけでなく、この時の仕事で広がったと思います。

このボタンは、その後自分用に買ったボタンです。

一番のお気に入りは、梯子を抱えた男のボタンです。

『星の王子様』に、小さな星の上で、次々と夜になる場所に街灯を灯し続ける点灯夫の話があります。

ちゃんと読んだのは、専門学校の時だったかと。

この点灯夫の、自分の仕事に愚直なまでに忠実な姿に惹かれました。

今でも、自分の仕事がもどかしく、自分はバカかと思いながらもやってこられたのは、この点灯夫の話がいつも胸の中にあるからです。

このボタンの梯子を抱えた男は、きっとあの点灯夫ではないかと思っています。

当時、ニットの仕事は始まってはいたものの、何者でもない、しかも広島在住の私に、仕事の機会とアイディアをくれた『botao』の店主とディレクターの佐藤さん(偶然にもお二人とも佐藤さん)には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

このボタンを時々お守りのように取り出しては、いつかいつかと出番を待っています。

 

 

*『botao」は、社名『paulobottoni』となり、天然石のアクセサリーパーツとボタンのお店となっています。