HOLY'S BLOG

ベストのお直し

4月14日
12~3年前にお作りしたベストのお直し。
お直し自体、もう何回目だろうか。
冬の日々は、こればかり着ておられるとのこと、
襟から前立てをすっかり編み変えた。
身頃を囲むゴム編みが痛むので、裏にぐるりとバイヤステープを縫い付けることにする。
バイヤステープに落ち着いたのは、当初グログランリボンをと考えたが、艶がありピカピカするので、男性には気持ち悪い。
杉綾テープでは、ずしりと重く、手芸屋をウロウロしていたら、スカートの裾上げに使う幅広のバイヤステープに辿り着いた。
ボタンホールを初めてミシンでやってみた。
母は返しミシンの糸端を切らず、上糸と下糸、2本を裏側に引き抜き固結びをし、必ず始末する。
私もこの糸を切ることはできない。

しつけを掛け、纏る。
益子で生涯四百万個の土瓶に山水画を描いた皆川マスさんのことを考える。
こんな仕事をじゃあやめたらと、一番に頭に浮かんだのはメンズテーラーの仕立て屋だった。
針使いを修練し、薄い芯地を重ね、美しいカーブを描くように形作るのだ。
やはり針を持つのか。

4月15日
今日も纏る。
私の手は、母に近づいているだろうか。
母の方が体は小柄なのに、手や指は私の方が細く小さい。

4月16日
昨日は母に来てもらい、別々の仕事をした。
夕方、私の仕事を見てもらったら、見返しの様に縫い付けたテープをもっと被せた方が良いとのこと。
その日の仕事のほとんどを直すことになるのだが、なぜか腹も立たない。
私も度々、母に直しの直しをさせているからか。
おあいこだとも思わない。
昨日母も帰り、夕方より遅い時間に、年上の友人がレモンケーキを焼いたと届けてくれた。
「うちにおる?」
「外を見よ」
今朝は5時前に目覚めた。
まだ暗い中、10分ほどのジョギングとも言えぬぷらぷら走りの後、
昨夜のレモンケーキをチャイと頂く。

一日纏り、ボタンを付けた。

4月17日
纏り始めのステッチが気に入らず、やり直す。
自分でもなぜこんなにしつこいかと思うが、やめられないから仕方ない。
このベストの持ち主の奥様に、お直し代の了承を頂いた。
その文面に、「できるだけ長く着れて、かわいく」のリクエスト。
そうかそうかと、ボタンを付け直すことにする。
いつもは革の裏ボタンを作るのだが、このベストの革ボタンはいつもくちゃっと潰れて返ってくる。
色付いたプラスチックの裏ボタンにする。
自分は昨夜、下手くそなボタン付けをしていた。
雨降りだというのに仕上げ洗いをする。
部屋に干しておけば、明日にはお渡しできるだろう。