HOLY'S BLOG

最近のこと

原田宗典さんの新作、長編小説が近々出版されるらしい。
20代前半を、原田宗典さんの本を読み続け、今でも心の中のひとり言は、「カッチョいい~」「〇〇チョス」「ダバダ~」など、原田さんのエッセイにすっかり影響されている。
『黄色いドゥカと彼女の手』は、その頃、受付のバイトをしてた学生寮で、同じく原田さんの本を読んでいた寮生のお一人が貸してくれた。
彼とは、その本をきっかけによく話すようになったと思う。
その『黄色いドゥカ‥』の装画、イラストレーターで絵本作家の故・沢田としきさんの手袋やルームシューズ、マフラーを、その後、作ることになるなんて、あの頃、うつむいてばかりいた私のどこに想像する余地があったろう。

沢田としきさんとのきっかけは、広島での、沢田さんの絵本原画展、開催のお手伝いしたことだった。
沢田さんとの小さな思い出の一つが、この度、私にとって大きなご褒美となって繋がった。
このことは、さらに長い話になる。
沢田さんと、とても仲良しだった「ザ・ディラン II」の大塚まさじさんの歌を、このところのボブ・ディラン、ノーベル賞受賞のおかげで、ラジオからたくさん流れた。
大塚さんの歌は、20代から30代へ移る頃だったか、やはり沢田さんとのきっかけを頂いた方からのお誘いで、ライブで聴き、そして手袋をお作りした。
長年ギターを握ってこられた大きな手だった。
あの時、大塚さんの歌のことは、実はあまりよく覚えていない。
ギターを爪弾く手ばかり見ていたのだ。(フィンガーピッキングのために、右手の爪を伸ばされていた)
今回ラジオから流れる大塚さんの歌は、言葉が音に乗り、とても胸に伝わってくる歌だと感じた。
特に、渋谷のラジオ(コミュニティラジオ、アプリで聴けます)での奈良美智さんの選曲は、最高だった。
「街唄」「北の街行き特急列車」「メトロ」「うた」
大塚さんは、一昨年、63才にして映画「父のこころ」に初主演されたとのこと。その映画は、あちこちの劇場で、大切に上映されてるようだ。
大塚さんの次の広島ライブには、必ず行きたい。

小さなひとつひとつが、私の中で畝となり、お腹の底から熱くなった。
原田宗典さんは、しばらくお休みされてたけれど、昨年から徐々に作品を発表。最近は、短編もどんどん書かれておられる。
新作を早く読みたくてたまらない。


大塚まさじさんにお作りしたクローバー手袋。
この写真の手袋より、太めの糸で目を詰めて編み、大きく丈夫な手袋にした。