HOLY'S BLOG

優子さんのうさクマ

優子さんは、編み物クラブの大切なメンバーです。
このうさぎは、優子さんと私で作りました。
優子さんがうさクマの片方の手だけを編み残しておられたので、私が続きを仕上げました。

優子さんは、数年間の闘病生活があったけれど、元気な頃と変わらず編み物を続けました。
四十九日を終えた頃、お家に伺うと、私が見たことある優子さんの作品と、見たことのない作品がたくさんあって、うさクマはいくつも、あちこちのお部屋に散らばっていたそうです。
大きなものを編む元気がない時、うさクマのような小さな作品を編んだのだろうなと思いが巡ります。

優子さんの大好きだったJamieso n’s of Shetlandの、きれいな色の毛糸で編まれた働くセーターの数々。
猫ちゃん用のドーム型のお家。
かぎ針編みで編まれた色とりどりのモチーフをつなげたブランケット。
フェアアイルのベスト。
編み物本の数々。優子さんのメモ。
編み物を入れて持ち運んだ青竹の市場かご。
そして作りかけの働くベストや、かかとまで靴下。毛糸玉の数々。
見慣れたもののすぐそこに、優子さんの声が聞こえてきそうなのに、優子さんがいないのが、不思議で仕方ありません。

ご葬儀の時、旦那さまは、優子さんが周りの様子を最後まで見れるように、お骨になる直前まで、眼鏡をかけてさせてあげてたそう。
旦那さまが写真を見せてくださると、柩の中の優子さんは、編みかけの、肩まで編んだ『一生ものアラン』のセーターを抱えています。生前より「一緒に」と頼まれたそうです。
部屋には、その毛糸玉の残りが袋に入っていて、私が「これも入れないと。優子さんが続きを編めません」と言うと、旦那さまは「ああ、思いもせんかった」と言われ、みんなで笑いました。

優子さんの編み物仕事の数々は、妹さんが引き継がれるとのこと。

私は、片腕までのうさぎを持ち帰り、ウールを詰め、続きの腕を編み、顔の刺繍をし、仕上げ洗いをしました。

今、このうさぎは、優子さんのお家の、写真の中の優子さんの隣に居ます。

優子さんに『HOLY’S USAKUMA BOOK』を気に入ってもらえたこと。私はこの本を作って本当によかったと、この時ほど強く思ったことはありません。

次は、うさぎ用のメガネも用意しておかなくちゃです。

*『HOLY’S USAKUMA BOOK』は、私の自費出版本です。

HOLY’S HPのSHOP LISTより、お取り扱いのお店にて販売、通販しております。