スウェード付きのボタン手袋
昨日お渡ししました、スウェード皮付きの手袋です。
オーダー主は、もう長く作品を見てくれている、ルームシューズもお作りしたことのある友人です。
付けて頂きました。
夏服でも、彼女に似合うっことが分かって頂けると思います。
手首の内側に、登場します。
彼女のリクエストです。
彼女に作ることを意識したのか、飛ぶように走っている感じが似ています。
昨日は、編み物クラブの合間を少しお借りしました。
クラブの皆さんにも見て頂いて。
私があまりにパパっと写真を撮っていたので、「鹿は撮ったの?」とクラブの方にご心配頂きました。
ボタンは、オーダーの紺色と、彼女に似合う雪の結晶のようなシルバーメタル。
冬の自転車通勤用に、スウェード皮付きです。さらに温かく、摩擦にも強くなります。
ニットとスウェードをステッチだけで張ってあります。なのでほつれたら、いつでもお直し出来ます。
この後、しばらくクラブの皆さんが作られてる様子を見て。
「チョッキですか?」
「チョッキです♪」
「おお~」
次の用事に向かわれました。
冬の彼女に会うのが楽しみです。
きっとすてきな着こなしに合わせてくれると思います。
ジャストサイズの手袋
「パンとサーカス」
遠方に住む友人から届いた老舗パン屋さんのフリーペーパー。机の前に置き、見るたびに嬉しくなり、眺めて満足していた。
最初の数行を何度も読んで、なかなか集中できずにいたのが、今日は読了。
オーナーの趣味で商われてる中古レコード屋を任されている「僕」と、その店内で淡く行き交う人達のお話。
音楽に何かしら恩恵を感じてる人なら、この中に出てくるタイトルのどれかひとつでも、胸を掴まれるだろう。
自分の中にBGMが流れるようだった。
人にはそれぞれ、「そうであらなければならない」訳があることを、納得させられた。
会社や学校で居場所がなくても、必ず役割があること。
読んでよかったと思う、何度も繰り返し読むであろう、そして眺めていたい一冊。
そもそも、いしいしんじさん著書のお話がフリーペーパーであることが信じ難い。あの店だからだよね。
何度も作ってわかること
何度も作って、やっと自分の物になるということなのか、腑に落ちたと言うか。
今まで「これで良いかな?」と作っていたことに、確信が持てるようになりました。
サンカ手袋は、どこを取ってもチェッカーフラッグのように、白と黒、二色の四角が互い違い、左右対象になるように編むのです。
指の部分は3角柱に編むから、重なってしまう面は出てくるのだけど。
ゴットランドの「トレリスパターン」はサンカの伝統模様にも、トレリスパターンとして編まれていたらしく。
今回の紺色のサンカ手袋は、ローズパターンにトレリスからつながる梯子のゴム編みとなりました。
18世紀終わりから19世紀のパターンの紐解きとか、薀蓄などいろいろあるようだけど、「歴史とはそんな単純なものではないよ。それよりも心と肌で感じて」が本当だと思う。
(日本ヴォーグ社『海の男たちのセーター』より)
サンカ手袋は、11目11段の升目模様で作られます。私は色糸が豊富なこのシェットランドヤーンで、日本人の手に合わせ、女性用9目9段で、男性用11目11段の升目で編んでいます。
今はシェットランドヤーンのレース糸も各色買えるようになったので、女性用を11目の升目でも編んでみたいです。とても繊細になると思います。
どこを取ってもチェッカーフラッグ。三角柱のとこだけは仕方ない。
帯になるパターンを濃い色の枠で囲み入れる場合と、こんな風に繋げる場合と。これ気に入っちゃったなぁ!